猫との暮らしで知っておきたいこと Vol.194

メインクーンブリーダーが体験した「TICA 2024 Annual Awards」と旅のドラマ

[2024/10/11 6:01 am | Cattery Amangroup/阪根美果]

今回は、アメリカのバージニア州ハンプトンで開催されたTICAの「2024 Annual Awards」に参加した旅を振り返ります。

この表彰式は、世界中で活躍するブリーダーたちが一堂に会する非常に重要なイベントです。私も渡米し、この栄誉ある舞台に参加してきました。

8月30日の表彰式に参加するため、前日夕方の新幹線で東京に向かうはずだったのですが、旅の始まりから予想外の出来事が……。

超ノロノロの台風10号の影響で、静岡県付近が豪雨に見舞われ、新幹線が停車。私が乗った新幹線も米原駅で停車してしまいました。新幹線の車内に缶詰め状態に。

5時間が過ぎたころ、名古屋駅に向かうとのアナウンスが入りました。しかし、この新幹線の前に何台か新幹線が停まっていて、順次動くので出発時間は未定。その後、30分ほどしてやっと動き出し、何とか名古屋駅に辿り着きました。

じつは別の新幹線には、東京で待ち合わせしていた知人ブリーダーが乗車していました。彼女の新幹線は名古屋駅に停車したので、すぐに下車することができたのです。

連絡を取りながら名古屋駅で合流。その後は、名古屋在住の知人ブリーダーが、クルマで羽田国際空港まで送ってくれたのでした。まさに「スーパーマン」の登場でした。

スーパーマンのおかげで、早朝6時に羽田国際空港に到着。知人ブリーダーは午前中のフライトで、私は午後のフライトで飛び立ち、再びノーフォーク国際空港で合流したのでした。

ホテルで朝食を済ませ、隣接している「Hilton Hampton Convention Center」で開催されているキャットショーを見に行きました。会場はものすごく広くて、天井も驚くほど高い。開放感溢れる会場です。

出陳頭数は約300匹。日本で開催されるキャットショーは、通常60~70匹の出陳頭数なので、その5倍の規模で行われるのです。そのため、審査をするリンク数も多く、14リンクが会場中央に長方形にずらりと並び、出陳者は2日間でそのすべての審査をこなします。

猫が審査以外の時間を過ごす控えケージは、審査リンクの左右に設置されているので、すべてのリンクを見渡すことはできません。出陳者はくるくる回って自分の猫の番号をチェックするか、アナウンスを聞いて動くかのいずれかになります。しかし、会場が広いので実際に出陳したら疲れるだろうなぁと思いました。

私はメインクーンのブリーダーなので、やはりその審査を中心に見て回りました。今回のショーでは、ジャッジによって評価が分かれる場面が多かったです。また、以前と比べてハイホワイト(白い部分が多い)メインクーンが増えてきた印象を受けました。

海外のショーでいつも気になるのは、被毛の割れです。脂がしっかり落ちていないと、被毛がふんわりサラサラにならず、割れてしまい、美しさが損なわれてしまいます。そのたびに、「やはり日本のブリーダーさんたちのグルーミング技術は素晴らしい!」と再認識しました。

会場には猫に関連するたくさんのショップが出店していました。猫じゃらしも種類が豊富、爪とぎも猫の顔の時計もデザインがおもしろい。また、猫の置物も日本人の感覚にはないような斬新なデザインです。日本とは違ったテイストのものがあるので、見ていてとても楽しかったです。

初日のキャットショーのあとは、「2024 Annual Awards」の授賞式に参加。まずは、フルコースディナーを楽しみます。事前に料理の内容を予約してあるので、指定されたテーブルに案内してもらいました。

今回、わが家で唯一のエキゾチックショートヘアである「アオ」くんが、今期のBW(ブリードウィナー)を受賞し、エキゾチックショートヘアの世界一に輝きました。

この表彰式は、愛猫とともに1年間努力を重ねてきたブリーダーたちの晴れ舞台です。受賞した猫の飼い主さんたちは、みんな本当に喜びに満ちていて、その姿がとても印象的でした。私自身も、その場に立ち会えたことが幸せで、心温まるひとときを過ごしました。

2日目の午前中もキャットショーを見学しました。昨日の表彰式を終えて帰宅した方が多いのか、昨日よりも参加している猫の数が減っているように感じました。

それでも、もともと約300匹と多く、依然として賑やかなショーでした。この日もメインクーンを中心に見て回りましたが、残念ながら今回は私好みのメインクーンには出会えませんでした。

また、日本からは鶴岡みみジャッジが審査に来ていました。ジャッジの方々のコメントを聞きながら、貴重な学びの時間を過ごしました。

午後からは、ホテルからほど近いショッピングモールへ知人たちと出かけました。日本のアウトレットモールのように広い敷地にお店が1件ずつ並んでいます。

しかし、さすがアメリカと思うのは、オシャレなアメ車が普通に停まっていること。もうそれだけで絵になります。

この時期はセールの時期で、いろいろなものが50~80%OFFになっていました。私は洋服とアクセサリーを購入。そして、みんなでアイスクリームを食べたり、ハンバーガーを食べたりして楽しみました。

いよいよ日本へ帰国です。早朝にホテルを出発し、ノーフォーク国際空港へ向かいました。ここで知人のブリーダーとお別れし、私は再びユナイテッド航空でヒューストン国際空港へ向かいました。飛行時間は約2時間。

ヒューストンでの乗り継ぎは初めてなので、少し緊張しましたが、飛行機を降りてすぐに空港スタッフに次のフライトのゲート番号を確認。案内表示を見ながら無事にゲートを見つけることができ、これで乗り換えは無事完了です。

搭乗時間までの間、空港内を見て回ることにしました。すると、おいしそうなパンやサンドウィッチのお店がずらりと並んでいて、どれも魅力的!

次の飛行機で食事が出ると分かっていたのですが、誘惑に負けて大好きな「チキンアボカドラップ」を購入。ボリュームがありましたが、おいしすぎてあっという間に完食してしまいました。

ほかにも「タイチキンラップ」や「クランベリーアーモンドチキンラップ」など、気になるメニューがたくさんあり、全種類食べてみたくなりました。次回アメリカに行くときも、ヒューストンで乗り換えようかなと思ったほどです(笑)。

ヒューストンから成田空港へ向かいます。ここからは再びプレミアムプラスの席を予約していたので、足元が広く、とても快適でした。

機内食は3回あり、ほうれん草のパスタがメインの食事、ハムチーズサンドの軽食、そしてスクランブルエッグ&ソーセージがメインの朝食でした。どの食事もおいしくいただいたのですが、チキンアボカドラップの影響で、最初のパスタは少し残してしまいました。でも、それについてはまったく後悔していません(笑)。

食事以外はほとんど爆睡していたため、あっという間に成田空港に到着。第2ターミナルに着いたので、無料シャトルバスで第3ターミナルに移動し、そこから国内線で関西国際空港まで飛んで無事に帰宅しました。

こうして、今回の表彰式の旅は幕を閉じました。来年の表彰式はドイツで開催予定です。もし行けたら、また素敵な経験になりそうです。

[Cattery Amangroup/阪根美果]