【編集興記】老化は44歳と60歳で急加速!? 最新研究が明かす劇的なエイジングの真実

[2024/08/22 6:01 am | 編集部]

朝起きて鏡を見たときに、突然老けたように感じた経験を持つ人も多いかもしれません。こんなにシワがあったかしらとか、肌にハリがなくなったとか、男性だとお酒が弱くなったとか。

一般的に、老化は時間とともにゆっくり進むと考えられていましたが、スタンフォード大学のチームによる最新の研究は、この常識に一石を投じています。研究によると、老化は44歳と60歳の2度にわたって急激に加速する可能性があるというのです。

研究では、カリフォルニア州に居住する25歳から75歳までの108人の人々が参加しました。参加者は、数カ月ごとに血液と便のサンプル、皮膚、口腔、鼻腔の検体を提出し、研究者たちは、135,000種類の分子(RNA、タンパク質、代謝物)と微生物(参加者の腸内や皮膚に生息する細菌、ウイルス、真菌)を評価しました。

ほとんどの分子と微生物の量は、時系列的に変化することはありませんでした。もっとも変化が大きかった分子のクラスターを探したところ、40代半ばから60代前半にかけてこのような変化が起こる傾向があることが分かりました。

40代半ばの急激な老化は予想外で、当初は女性の更年期の変化がグループ全体の結果を歪めた結果だと考えられていました。しかし、同様の変化が40代半ばの男性でも起きていることがデータから明らかになりました。

このことは、女性の閉経や更年期障害が関与している可能性がある一方で、男女ともに変化に影響を及ぼすより重大な要因がほかにも存在する可能性が高いことを示唆しています。

最初の変化の波には、心血管疾患やカフェイン、アルコール、脂質の代謝能力に関連する分子が含まれていました。2番目の変化の波には、免疫調節、糖質(炭水化物)代謝、腎機能に関連する分子が含まれていました。

皮膚と筋肉の老化に関連する分子は、両方の時点で変化しました。これまでの研究では、78歳前後で老化が急速に進む可能性が示唆されていたが、このの研究では、参加者の最高齢が75歳であったため、これを確認することはできませんでした。

この結果は、多くの加齢関連疾患のリスクが徐々に増加するわけではなく、アルツハイマー病と心血管疾患のリスクが60歳以降に急激に上昇するというこれまでの証拠と一致しています。

また、いくつかの変化はライフスタイルや行動要因と関連している可能性もあります。例えば、アルコール代謝の変化は、人生の中でストレスの多い40代半ばの消費量の増加に起因している可能性があります。

この研究結果は、筋肉が急速に減少する時期に運動を増やすなどの介入を行う際に役立つ可能性があります。この研究の上席著者であるマイケル・スナイダー教授は「健康なうちにライフスタイルを整えるべき」とコメントしています。

犬や猫ではこういった研究はありませんが、仮に人間の年齢に置き換えると、小・中型犬は6-7歳と10-11歳、大型犬は6歳と9歳、猫は6-7歳と11歳となります。

一般的には、犬は7~8歳(大型犬は5~6歳)ころから、猫は7歳を超えると健康問題が増えることがあるといわれています。

もちろん個体によって変わりますが、この年齢の前後に生活環境や健康管理を見直すことで、犬や猫のQOLを向上させられるかもしれませんね。

[編集部]