ペトハピ、「にゃんぱく〜ねこの万博〜」でペットの終活トークショーや相談コーナーを実施

[2019/12/30 6:00 am | 編集部]

12月21日(土)~22日(日)の2日間、東京・御茶ノ水で初開催となる「にゃんぱく~ねこの万博~」が開催されました。ペトハピは、特別展示「ねこといきる~ねことヒトの共生を考える~」と連動して「ペットの終活」についての展示やトークショー、さらには相談コーナーで協力しました。

12月22日(日)の12:00と14:00の2回、「ペットの終活」著者であるペットジャーナリストの阪根 美果さんによるトークショーが開催されました。30分程度の短い時間なので、ペットの終活の意義や取り組み方のエッセンスをご紹介しました。

実際に、阪根さんも愛犬のボルゾイ3頭(パパ・ママ・息子)を、天寿を全うする前に亡くしたそうです。息子はペットホテルでの判断ミスにより3歳という若さで。パパは5歳時に脳内出血からのショック死。ママは8歳時に血管肉腫というリンパの癌に侵され、闘病の末に旅立ちました。

それぞれ亡くなった経緯も年齢も違いますが、現実に直面したときの狼狽や心に残った思いは同じでした。「もっとしてあげられることがあったはず」「もっと病気や介護について勉強しておけばよかった」「もっと葬儀やお墓について考えておけばよかった」など、後悔の念ばかりだったようです。それから時間が経ちましたが、今でも彼らを思い出すと胸が締め付けられるくらい苦しくなるようです。参加者のなかにも同じような経験をされた方も多かったようで、涙される姿も見られました。

「後悔ばかりでペットロスになって悲しみに沈んで欲しくない」そんな思いで「ペットの終活」をつくりあげました。ペトハピの「ペットの終活」は、シニア期以降の終焉=死といった、最後の過ごし方や供養の仕方に偏った一般的なものではありません。ともに幸せに暮らしている現在を充実させる=「生」がテーマになっています。私たちよりも短い生涯であることを認識し、さまざまな準備を整えることで、楽しく幸せに過ごすことができます。そして、お別れの時、少しでも後悔を減らすことができれば、その分だけ穏やかな気持ちで、幸せな時間をくれたペットに「ありがとう」という言葉を添えてあげられることでしょう。その穏やかな気持ちこそが、ペットロスを軽減するものなのです。

会場奥の特設スペースには、「ペットの終活」相談コーナーが設置されました。多くの方に訪れていただき、時間が許す限り阪根さんが相談にのっていました。多かった相談内容は、葬儀・供養についてでした。葬儀・供養に正解はありません。飼い主であるあなたが、どのように送り、供養してあげたいかが重要なのです。費用をかければよいというものではありません。中には、ご遺骨がそのままという方もいらっしゃいました。メモリアルグッズとともに手元供養(自宅供養)するだけでも心が安まります。もちろんペット霊園や納骨堂に納骨するという選択もあります。

最近では、海洋葬・山林葬・空中葬・宇宙葬などで散骨する方法もあります。ご自宅に庭があれば、土に還してあげることもできます。このように、ご自身やご家族が納得できる選択をすべきなのです。ただ、それも生前から下調べをするなど情報を集めておくことが大切です。亡くなって混乱しているときに慌てて選択すると、それが後悔になってしまうからです。

また、病気の治療に関する質問もありました。阪根さんは猫のブリーダーでもあり、これまで寿命ではなく病気で亡くなる場合もあったそうです。日本では、欧米と異なり安楽死を避け延命治療をする傾向がみられます。阪根さんは、延命治療、安楽死の選択規準を決めているようです。それは「苦しんでいる愛犬・愛猫に意識があるかどうか」だそうです。助かる見込みがなく、もう痛みや苦しみを取り除く方法がない場合は、意識があるのであれば安楽死させてあげるのも愛情だと考えているそうです。「あくまでもこれは自分の考え」と前置きをしながら話していました。

そのほか、ペットの終活だけでなく、猫のことや猫との暮らし全般のご相談にもお立ち寄りいただきました。これから猫と暮らしたい方、すでに暮らしていて気になること・悩んでいる方などから、多くのご質問をいただきました。なかには最近の遺伝子病についての質問もありました。今年に入り、大手ペットショップチェーンが相次いで、販売する子犬・子猫の遺伝子検査をするようになりました。しかし、それは私たち飼い主にとって本当に安心できるものではありません。詳しくは「ペットショップの「販売8週齢」「全頭遺伝子検査」は本当に安心なのか」をご参照いたければと思いますが、検査項目が明らかに少ないのです。

そして、検査すべきは子犬・子猫だけでなく、繁殖の現場にいる親犬・親猫なのです。遺伝子検査でクリア=健全な親犬・親猫からは、遺伝的疾患をもった子犬・子猫が生まれる可能性は限りなく少なくなります。私たち飼い主は、健全な子犬・子猫を迎え、健康で幸せな生活を送りたいと考えます。だからこそ、欧米と同レベルの遺伝子検査が必要なのです。

これまでいろいろなイベントに参加させていただきましたが、今回の「にゃんぱく」に来場された方は、しっかり飼育されている方が多いという印象を持ちました。そして、真剣である故、悩みも多く抱えられてるようでした。相談コーナーでは、「ネットの情報は何を信じていいのかわからない」「お題目ばかりで具体的なものがない」といったご意見もいただきました。ペット専門メディアとして、信頼できる情報、もっと幸せに暮らせる情報をお届けしつつ、課題についても一緒に考えていきたいと思います。ペトハピに対するご意見、ご要望などございましたら、info@pet-happy.jp までご連絡ください。

[編集部]