6月17日(月)・18日(火)の2日間、パシフィコ横浜にて「フューネラルビジネスフェア2019」が開催されました。ペット葬祭のトレンドを探るべく取材してきました。
・東京ローソク製造
伝統の灯りを守り続けて95年の老舗企業。社名にもなっているローソク製造からはじまり、仏具やペットエンディング事業も展開しています。ペット仏具は、手元供養を中心にパステル調のやさしいカラーのものが多く、誰でも供養しやすい価格体系になっています。新製品として、珪藻土でできた骨壺を展開していました。珪藻土は、湿度を調整してくれるので遺骨を湿気から守ります。また、そのまま庭などに埋めると土に還ります。
・テンマック
「花供養墓」は、仏壇でありお墓でもある一台二役の手元供養納骨仏壇です。時代の変化にあわせて、住み慣れた家での供養スタイルを提案しています。供養花は、生花をフリーズドライにし、なかの酸素を抜くという特許技術でつくられます。着色や防腐剤を使用せず、枯れずに半永久的に美しさを維持します。
上部にLEDバックライトが配置されているので、自然光が入らない場合や夜間でも美しく供養花を照らします。
・スージーラボ
暮らしに溶け込むフォトフレーム型のデザイン仏壇「Being Frame」を展示していました。天然木でつくられた宮社のような厳かなデザインで、フレームの奥行きが9cmとマンションなど現代の住空間やインテリアにもなじみます。メモリアルケース(骨壺)とアロマディフューザーが付属しています。火を使わず、お線香の代わりにアロマの香りで祈りの空間を演出するなど、安全性にも配慮しています。
・アスカネット
アスカネットは、遺影写真作成・加工サービスを展開しています。新しい手元供養のかたちとして「A-BALL」が参考出品されていました。表示部にASKA3Dプレートが使用されていて、何もない空間にペットの遺影が浮かび上がります。全面の口にスマホを差し込めば任意の画像を表示できます。ワイヤレス充電にも対応しているので、充電しながら使うことができます。
※記事掲載時に写真のキャプションに誤りがありましたので訂正しました
・ビー・ハウス
「DOMS」は、安定化二酸化塩素を主成分とする遺体保全剤です。葬儀業界だけでなく、東日本大震災でも関係各省庁に正式採用されるなど、除菌・消臭・遅腐の即効力が特徴です。また、EPA(米国環境保護庁)、FDA(米国食品薬品局)、WHO(世界保健機構)にも認証されているなど、安心・安全な溶剤です。ペット業界では、次亜塩素酸水に代わって、二酸化塩素での除菌・消臭が主流になっているのですが、より過酷な状況でも実績のある「DOMS」は、葬儀業界だけでなく家庭でも活用できそうです。
昨年と異なり、ペット葬祭サービスゾーンがなくなるなど、ペットに関する出展が少なかったように思います。昨今、ペットの葬儀関連への参入が多く見られますが、儲けだけでなく残された家族にしっかり寄り添うものが望まれます。ペット葬祭業界においても「健全」さは求められているのだと思います。