犬の甘噛み、むだ吠え、マーキングに困ったときに試してほしいこと

[2015/11/09 6:00 am | 編集部]

Q:子犬が甘噛みをします。やめさせるにはどうしたらいいでしょうか?

A:噛み癖は子犬のときにしつけましょう。

子犬はよく甘噛みをします。これを痛くないからといって放っておくと、犬は自分がボスと思い込み、本気で噛んでくるようになります。力が強い大型犬などは噛まれたら大ケガをします。噛み癖は子犬のころからしつける必要があります。「噛んでよいものを噛んだときには褒める、噛んではいけないものを噛んだときには叱る」というのが基本的な考え方です。いくつか方法をあげますので、どの方法が一番適しているか、いろいろと試してみてください。

01:噛まれたら無視をします。すぐに遊ぶのをやめて別の部屋に行ってしまいます。「噛む=つまらない」と認識させます。

02:子犬を裏返しにして胸と首を抑えて動けないようにします。暴れてもおとなしくなるまでそのままにしましょう。その上で、低い声で「ウー」や「フー」など、子犬の目を見ながら唸り声を上げます。この行動は子犬を叱るときに親犬がとる行動です。人間が上位と認識させます。

03:噛まれたら「痛い」と大きな声を上げましょう。離したら大げさに褒めてあげます。「噛むのをやめる=褒められる」と認識させます。

04:噛まれたら子犬が声を上げるくらいの強さでつねります。この行動は子犬が兄弟姉妹でじゃれたりするときに噛み合うことと同じです。「噛む=痛い思いをする」と認識させます。

05:手に犬の嫌がるものをつけておいてわざと噛ませてみます。「噛む=嫌な味」と認識させます。

06:噛まれたら近くの床をたたいて大きな音を出して驚かせます。「噛む=嫌なことが起こる」と認識させます。

Q:手足は噛まないのですが、家具や建具がボロボロになってしまいました。解決策はありますか?

A:歯の生え変わりの時期は要注意。

乳歯から永久歯に生え変わる時期はいたずらをたくさんします。この時期に噛んでよいものと噛んではいけないものをしっかりと教えていきましょう。初めはその認識ができません。たとえば、噛んでよいおもちゃと噛んではいけないスリッパを用意して、おもちゃを噛んだら褒める、スリッパを噛んだら無視することを繰り返します。こうして認識させていきます。

家具や建具を噛んだ場合はすぐに叱ります。「ダメ」と噛んだものに子犬の鼻先付け、はっきりとした口調で言いましょう。また噛まれたら困るものは噛めないように対策をしておきましょう。ガードや柵で仕切り、犬が入れないようにします。しつけができたら外していきましょう。大型犬になると被害は膨大です。家具や建具のほか、携帯電話、パソコンのキーボード、充電器、布団、ベッド、本、CD、DVDなど、興味を持ったものをすべて噛んで壊してしまいます。壊されたら困るものは片づけるのが基本ですが、まずはそれらに興味を持つ前に、遊んであげることが大切です。

Q:無駄吠えを直すにはどうしたらいいでしょうか?

A:我慢させるのではなく原因を取り除きましょう。

犬の無駄吠えを直すコツは、その原因を取り除くことが大切です。「ダメ」ばかりでは、犬にもストレスが溜まってしまい、解決することはできません。どうして吠えているのか、まずは犬の気持ちになって考えてみると、答えが見つかるかもしれません。

無駄吠えをなくすしつけの一例をご紹介します。まず、犬が吠え始めたら大きな音を出してみます。犬の注意がそちらに向くようにします。丸めた新聞紙などで床をたたくのも効果的です。音に驚いて「何かな?」と考えて吠えるのをやめたら、おおむね成功です。何度か繰り返すうちに、無駄吠えが減っていくことでしょう。犬が吠えるのをやめたら、大げさに褒めてあげましょう。ただし、一呼吸してからです。吠えるのをやめた直後に褒めると、「吠えたら褒められた!」と勘違いする犬もいます。褒めるタイミングを間違えないようにしましょう。

もし、吠えている原因が嫌いな音などの場合は、その音に慣れさせる必要があります。音を録音して何度も聞かせ、その音が鳴っても何も起きないと認識させます。慣れてくると吠えるのをやめます。この場合も一呼吸おいてから褒めるといいでしょう。さらに、どうしても吠えてほしくない場面で吠えてしまうときは、食べ物を利用するといいでしょう。犬におやつを与えることで食べ物に集中させ、吠えるのをやめさせます。「おやつ」という言葉を覚えている場合には、「おやつ」と言っただけで吠えるのをやめることもあります。一時的ではありますが、好きなものを与えることも有効な手段です。

Q:去勢手術済みですがマーキングを部屋のあちこちでして困っています。改善策はありますか?

A:マーキングには理由があります。

マーキングは犬の本能的な行動で、ほかの犬に自分の存在を知らせるための行為だと考えられています。主に雄犬に見られますが、まれに雌犬にも見られます。去勢手術をすることで大幅に減少させることができると言われていますが、個体差があります。室内でマーキングをする理由には、飼い主との関係、権勢本能の強い犬の性格、生活環境の変化などが影響していることが多いようです。改善には犬がなぜマーキングをするのか、その要因を取り除く必要があります。飼い主は犬を叱るのではなくその理由を考え、適切に対処することが大切です。もし理由がわからない場合は、獣医師や専門家に相談することをオススメします。

01:飼い主との主従関係が逆転している場合

散歩で引っ張られる、飛びつきがある、無駄吠えがある、噛み癖がある、呼んでも来ないなど、犬が飼い主より立場が上だと思っている行動をとるときには、室内でマーキングをしてテリトリーを主張することがあります。この場合にはすぐに犬のしつけ直しが必要です。飼い主がリーダーシップを取っていることを誇示しなければ、マーキングはおさまりません。

02:新しい家に引っ越した場合

新しい環境に慣れるまで犬は不安な気持ちでいっぱいです。ストレスからマーキングを始める犬がいます。落ち着ける場所にケージやサークルなどを置き、できるだけ安心できる環境を作ってあげましょう。環境に慣れてくれば、徐々にマーキングもおさまるでしょう。

03:新しい家族が増えた場合

赤ちゃんが産まれて家族が増えると、どうしても人間の興味は赤ちゃんに集中します。犬はそれを感じ取り、やきもちからマーキングを始めることがあります。いつもよりも長めの散歩をしたり多めに名前を呼んだり、忙しいなかでもスキンシップの時間をとって、しっかりと愛情を示してあげましょう。

04:飼い主の生活パターンが変わった場合

外出することが多くなったり外出する時間帯が変わったり、飼い主さんの生活パターンが変わることは多々あることです。ですが、犬は「あれ?」と思ったり、いつもと違う状況に急に不安になったりして、マーキングを始めることがあります。外出するときには声をかけることなくそっと出ていきましょう。外出から戻ったときにも「家にいましたよ」という雰囲気で、静かに戻りましょう。

[編集部]