犬の食事はドライとウェットをバランスよく、1日2回がベストです

[2015/10/30 6:30 am | 編集部]

Q:フードを選ぶ際にどのようなことに気をつけたらよいでしょうか?

A:まずは「総合栄養食」表記のフードを。迷ったら相談を。

市販されているフードには「総合栄養食」「一般食」「副食」と表記されたものがあります。一般食と副食はそれだけでは必要な栄養が摂取できないことを意味します。購入されるときは表記を確認して、必要な栄養が含まれたバランスの整った総合栄養食のフードを選ぶといいでしょう。

これはドライフードでもパウチや缶詰に入ったウェットフードでも同じです。安価なものは素材や添加物などに問題があるものがあり、長年食べ続けることで犬の健康に影響が出てくる場合もあります。産地、素材、添加物等をよく確認してから購入するといいでしょう。

犬のフードはたくさんの種類があります。理想的な体型と体重を維持し、必要な栄養素をバランスよく摂取できるフードを選択することは、生涯健康で過ごすために重要なポイントです。多くのフードメーカーは自社のホームページなどで商品の詳細を掲載していますので、気になるフードがあったら調べてみるのもひとつの方法です。 迷ったときには獣医師や子犬の購入先など、専門的な知識のある方に相談することをオススメします。

Q:ドライフードとウェットフード、どちらをあげたらよいのでしょうか?

A:両方をバランスよく与えましょう。

「栄養面」「歯石がつきにくい」「腐敗しにくい」「コストパフォーマンスがいい」などの理由でドライフードを選ぶ方が多いのですが、ドライフードだけでは水分不足になりがちです。水分不足になると泌尿器系の病気にかかりやすいので、犬の体調を見ながら両方をあげるといいでしょう。

ウェットフードは匂いが強く嗜好性が高い(缶を開けた瞬間に飛んできます)ので、与える度合いが高過ぎるとドライフードを食べなくなってしまうこともあります。やわらかいものばかりでは歯石の心配も出てきますので、両方をバランスよく与えましょう。

Q:人間の食事は与えても大丈夫ですか?

A:答えはNO!!

犬が健康に体を維持するために必要な栄養素は、「タンパク質」「脂肪」「炭水化物」「ビタミン」「ミネラル」の5つです。その中でも犬が最も必要とする栄養素はタンパク質で、これは人間の必要とする栄養素の比率とは大きく異なります。その他の栄養素も人間とは比率が違うので、人間用に味付けされた食べ物を食べ続けることは健康を害する要因となります。一般的に、犬が1日に摂る食塩の量は人間の1/3程度でよいといわれています。このため、塩分の摂取量が過剰となり、心臓や腎臓に負担をかけてしまうことになります。犬の塩分の取りすぎが高血圧なるという、決定的な科学的根拠はまだありませんが、高血圧状態には良くないことは確かなので、予防も兼ねて制限することが大切です。

また人間にとって害がないものでも、犬には猛毒となるものがあります。玉ねぎなどのネギ類は犬の赤血球を破壊し、場合によっては死に至らしめます。玉ねぎと一緒に煮込んだ肉なども同じです。ほしがっても絶対に与えないでください。このほか、アボカド、ぶどう、カフェイン飲料、マカダミアナッツ、牛乳や乳製品、ニンニク、生肉や生魚、アルコール、キシリトール、チョコレートなど、避けるべき食品はいろいろあります。飼い主は犬を危険にさらさないよう、与えてはいけないものをきちんと把握しておきましょう。

Q:食事の回数は1日何回がいいのでしょうか?

A:1日2回がベスト。

犬の食事の回数は成長とともに変える必要があります。生後6カ月までは1日3〜4回、それ以降は1日2回が理想的な回数です。規則正しく与えることが大切です。ボルゾイのような胸の深い犬種や、よく噛まずに急いで食べてしまう犬、また老犬には、1回の量を数回に分けてゆっくり与えるといいでしょう。そうすることで消化を助け、お腹への負担を軽減することができます。また時間をかけることで、満腹感を感じさせることもできます。

食事の前後は激しい運動は避けましょう。とくに胸の深い犬は胃捻転を起こす可能性がありますので、静かにリラックスできる環境をつくりましょう。

Q:1日の食事の摂取量はどれくらいがいいのでしょうか?

A:食べる量には個体差があります。

ドライフードの袋には必ず体重に対する1日の摂取量が明記されています。避妊去勢手術をする前までは、明記された量を食事の回数で割って与えるとよいでしょう。ただ、食べる量は個体差があるので、一概に明記された量を与えればいいということではありません。食べる量を観察して加減していく必要があります。

また、手術後は太りやすくなるので、いままでの7〜8割程度の量に抑える必要があります。その場合も体重や体型をチェックしながら加減していきましょう。市販されている避妊去勢後の専用フードや肥満用のフードはカロリーを抑えてありますので、それを利用すると管理がしやすいでしょう。ウェットフードも同様に考えてください。

Q:フードの好き嫌いをなくすにはどうしたらいいでしょうか?

A:好き嫌いを作るのは飼い主です。

犬は学習します。犬が食べないからといって次々に新しいフードを与えていると、犬は「これを食べなければもっとおいしいものが出てくる」と期待するようになります。すると、好きなもの以外には見向きもしなくなります。好き嫌いは飼い主が原因なのです。好きなものが総合栄養食など必要な栄養がバランスよくとれるものなら理想的ですが、一般食や副食では十分な栄養がとれません。

もし犬が与えた食事を食べない場合は、さっさと片づけてしまいます。1時間か2時間くらいしたら、また同じ食事を与えます。何度か繰り返すうちに犬もお腹がすくので、根負けしてその食事を食べ始めます。犬の健康を考えるなら、飼い主もときには厳しく接することも必要です。

Q:人間用の牛乳を与えてもよいでしょうか?

A:犬には消化できません。

人間用には乳糖が含まれていますが、犬はこれを分解するための酵素を少量しかもっていません。そのため、下痢をしてしまうことが多いのです。犬用のミルクを飲ませてあげましょう。

Q:どんなおやつをあげたらいいでしょうか?

A:おやつは不定期に与えましょう。

きちんとした食事をしていればおやつは基本的には必要ありません。もし与えるのであれば、犬により好き嫌いがありますので、いくつかの種類を少量ずつ用意するといいでしょう。ただ、おやつは匂いが強く嗜好性の高いものが多いので、毎日時間を決めて与えてしまうと、その時間になるとほしがるようになってしまいます。しつけの面でも「留守番して偉かったね」など、ご褒美として不定期に与えるようにします。また、犬のしつけの方法としておやつを使用する際には、適切な方法で適量を与えるようにしましょう。

[編集部]