猫のマーキングと粗相に関するお悩み。叱らず消去法で解決しましょう

[2015/10/19 7:00 am | 編集部]

Q:トイレで砂をかけずに後始末をしない猫がいますが、なぜですか?

A:足触りのよい細かい砂が好きなようです。

個体差はありますが、使用する猫砂により砂をかけない確率があがるように思います。大きな粒になるほど、そのままトイレから出て来る猫が多いです。砂の飛び散りの解消や飼い主の片付けやすさを優先するためか、年々猫砂の粒が大きくなっています。粒の細かい足触りのいい砂を用意してあげると、喜んで砂をかける猫が増えるのではないかと思います。

Q:去勢手術をしているのですが、マーキングがひどくて困っています。改善策はありますか?

A:去勢手術をしていてもマーキングする猫がいます。

マーキングは尾を垂直にして、壁などに尿をスプレーする行為です。主に雄猫に見られますが、まれに雌猫にも見られます。去勢手術をしても5%くらいの猫がマーキングを続けてしまうと言われています。去勢をしなくても、まったくマーキングをしない猫もいます。父猫がマーキングをしないと、その子猫もしない確率が高いように思います。マーキングは「交配相手に自分をアピールする性的行動」「競争相手に自分を誇示する威嚇行動」「不安やストレスを解消する気分転換行動」が要因と言われています。改善にはその要因を取り除く必要があります。

01:まずは去勢・避妊手術をしましょう。

02:飼育頭数が多い場合には、縄張りの主張などでその確率が上がってしまいます。競争相手とは部屋を別にするなど、環境を改善するといいでしょう。

03:マーキングは決まった場所にする傾向があります。専門の洗剤や消臭剤などで徹底的に匂いを取り除く必要があります。

04:罰は与えても効果なし。マーキングをしそうになったら大きな音を鳴らすなどしてびっくりさせましょう。

05:マーキングの後は猫に構わないでください。構うとご褒美と勘違いしてマーキングを繰り返します。無視することが大切です。

マーキングの匂いは強く、行動には個体差があります。改善するのはなかなか難しいので、獣医など専門家に相談することをオススメします。

Q:数日前からトイレとは違う場所で粗相をして困っています。なぜでしょうか?

A:粗相は叱らない!  消去法で解決しましょう。

粗相は叱ってはいけません。排泄自体が叱られることと勘違いして我慢をしてしまい、泌尿器系の病気につながりかねないからです。粗相は何かしらのストレスが要因と言われています。その要因と思われることを一つひとつ試していき、解決するしかありません。まずは同じ場所に粗相をしないよう、匂いを徹底的に取り除いてください。

01:猫砂が気に入らない

猫砂の素材、砂の大きさ、匂い、踏んだときの感触や音など気にする猫がいます。いろいろな猫砂を試してみましょう。気に入った猫砂が見つかれば改善されるかもしれません。

また、猫砂の隙間を通って尿が下のシートに落ちるタイプのシステムトイレの場合、猫砂自体が吸水しないため排尿の際に尿の跳ね返りがあるようです。それを気持ち悪がって排尿を別の場所してしまう猫がいます。また下段のシートの交換頻度により、匂いに敏感な猫は「トイレが汚れている」と判断して粗相をしてしまうことがあります。その場合は粒の細かい猫砂に変えてみましょう。量はたっぷり入れるのがいいようです。

02:トイレの形状が気に入らない

トイレの大きさ、縁の高さ、屋根の有無などを気にする猫がいます。屋根なしで縁は低めのトイレを好む猫が多いようです。個体差がありますので、いろいろなタイプのトイレを試してみましょう。

03:トイレの場所が気に入らない

猫がいつもいる場所からトイレが遠いと嫌がる猫がいます。また人がよく通る場所や洗濯機や乾燥機のそばなど、落ち着かない場所だと嫌がります。静かで落ち着ける場所にトイレを移動してみましょう。

04:トイレの数が少ない

多頭飼育の場合、トイレの数が足りないために粗相をする猫がいます。トイレが汚れている、ほかの猫の排泄物の匂いが気に入らないなど、それだけでストレスを感じる猫がいます。猫の頭数分+1個のトイレを用意してみましょう。また、1日2回は掃除をするようにしましょう。

05:環境の変化があったらできるだけ元に戻す

生活環境に何かしらの変化があった直後に粗相が始まったなら、できるだけ元の状態に戻しましょう。

そのほか、病気や老化による場合もあります。上記を試しても改善されない場合は獣医など専門家に相談することをオススメします。

[編集部]