猫と一緒に旅に出よう! Vol.1

【猫旅】ストレスフリーの快適な宿に泊まる旅(福岡編)

[2020/01/06 6:01 am | ペットジャーナリスト 阪根美果]

福岡県博多市の天神大牟田線の雑餉隈(ざっしょのくま)駅から徒歩1分にある「Yogo Zassho House」。ここは、福岡空港からもクルマで20分程度というアクセスがとてもよい場所に位置しています。宿の目の前はコンビニエンスストアで、周りには商店街もあります。気軽に入れるレストランも多く、食事に困ることはありません。

今回は福岡タワーで行われるキャットショーに参加するために、愛猫のカルーソと知人宅のラファエル君とともに1泊2日の旅をしました。筆者はブリーダーという仕事柄、日本各地で開催されるキャットショーに出陳しています。しかし、宿泊の際に猫OKな宿を探すのに毎回一苦労。実は猫が泊まれる宿は全国的にもとても少ないのです。そのなかで快適な宿というと本当に限られてしまします。今回はとても素敵な宿とともに、猫と一緒の旅をご紹介します。

福岡県博多市「Yogo Zassho House」

羽田空港から飛行機に乗る

自宅最寄りのインターチェンジから高速道路に乗って羽田空港に向かいます。最近の羽田空港は駐車場の混雑がひどく、入るだけで40分待ちなんてケースもあります。待たずに停めたい場合には、Webサイトからの予約が可能です。空港周辺にも駐車場がありますので、混雑を避けたい場合には事前に予約しておきましょう。今回は朝早い便でしたので、羽田空港の駐車場に問題なく停められました。猫たちにはキャリーバッグに入ってもらいます。

福岡県博多市「Yogo Zassho House」

今回はJALを利用しますので、第1旅客ターミナルに行きました。手荷物を預けるカウンターで、猫たちも預けることになります。猫の場合は、環境の変化を嫌うことがあるので、キャリーバッグにカバーを付けておくといいでしょう。「怖がるので」と事情を説明すると、カバーを付けたまま預けることができます。

ただし、空港によってはNGと言われることもあるので、あらかじめ窓がなるべく少ないキャリーバッグを選ぶことをオススメします。しっかりしたキャリーバッグがない場合は、事前に予約をしておけばJALでクレートを借りることができます。猫の飛行機代は片道6000円(往復1万2000円)かかります。また、犬や猫を飛行機に乗せる場合には、頭数分の同意書にサインが必要です。さあ、出発です。

福岡空港に無事に到着。レンタカーを借りる!

飛行機は揺れることもなく、無事に福岡空港に到着しました。手荷物が出てくるターンテーブルでほかの荷物を受け取っていると、どこからともなくJALのスタッフが猫たちを連れてきてくれます。カルーソもラファエル君も問題なく元気でした。

今回は荷物も多く、猫も2頭なので事前にレンタカーを予約していました。レンタカー会社によってはペット不可のところもあるので、事前に確認が必要です。オリックスレンタカーは当日に同意書にサインをすれば、追加料金もなく乗せることができます。もちろん、車内で離すことは禁止なので、キャリーバッグが必要となります。キャットショーの開始時間まで余裕がありましたので、事前に宿のオーナーに相談をして早いチェックインにしてもらっていました。福岡空港から宿に向かいます。

「Yogo Zassho House」はペットに関する制限がありません。オーナーは「部屋に入れる大きさなら」と冗談交じりに話していましたが、すべては宿泊する飼い主のモラルに任せているようです。犬・猫・鳥などが過去に宿泊しているようですが、ペットが泊まっているとは思えないくらい無臭です。各部屋はチェックアウト後に清掃されますが、毎回、高温のスチームクリーナーで除菌・消臭を行っているそうです。衛生面でもしっかりと対応している安心できる宿なのです。

お部屋はキレイで超快適!

玄関前に無料駐車場が完備されているので、荷物が多くてもラクです。私の場合は、お部屋まで宿のオーナーさんが手伝ってくれました。今回は角部屋の203号室に宿泊です。お部屋はとてもキレイで、床も壁も傷が付きにくい素材になっています。2段ベッド、ロフトベッド、エキストラベットと1部屋に最大4名の宿泊が可能です。

冷暖房完備で、畳敷きのエリアにはテレビ、テーブル、冷蔵庫、ポットが備え付けられています。ウォシュレット付きのトイレもあります。シャワールームにはシャンプーリンス、洗面台には石鹸、歯ブラシセット、バスタオル1枚、フェイスタオル2枚が置いてありました。長期滞在に役立つ洗濯機もあり、1Fのフロント横には乾燥機も3台完備されています。広々としたお部屋は本当に塵ひとつないくらいにキレイでした。

ペットも室内で離してもOKとのことで、何の心配もなく猫たちも過ごすことができました。カルーソもラファエル君も床でのびのびと寝そべっていました。そのため、ペットのケージやペット用品は一切ありません。ペットの悪戯具合や性格に合わせて、飼い主が持参する必要があります。私が持参したのは下記のものです。

【持参したアイテム】
・折り畳み式テントケージ2個 ・ケージ内に敷くマット2枚 ・猫トイレ+猫砂 ・トイレ用ペットシーツ数枚 ・ウエットティッシュ ・ビニール袋 ・食器+フード ・消臭剤 ・タオル ・猫のおもちゃ

食事付きの宿ではないので、食べ物を持ち込まないときにはペットを置いて外出する必要があります。また、シャワーを浴びたりする際にもペットから目を離すことになるので、爪とぎなどの悪戯をするようであれば、何かしらのケージが必要だと思います。テントケージの場合は稀にチャックを開けて出てしまったり、テントを破って出てしまうことがあるので、愛猫に合わせた用意が必要でしょう。

いざ、キャットショーへ

少し休憩をしてから、再びクルマに乗り込んでキャットショーの会場である福岡タワーに向かいました。この宿からは高速に乗れば20分程度、下道でも40分程度で到着します。余裕を持って出発しました。今回のキャットショーはTICA傘下のフォレストキャットジャパンが主催するもので、子猫の部、成猫の部、ハウスホールドの部を合わせて35頭程度の猫が参加していました。飛行機の疲れを宿で癒すことができたようで、カルーソもラファエル君も頑張ってくれました。素晴らしい成績を頂けてよかったです。

宿から徒歩1分、コスパも味も最高の夕食を味わう

宿に戻って猫たちと遊びながら休憩です。その後、猫たちはいつもよりも栄養価が高いフードで夕食をすませました。宿の近所にはレストランがたくさんあると聞いていたので、宿のオーナーにおいしいお店を紹介してもらいました。そこは宿から歩いて1分。「おまかせ食堂 ほうれん荘」という名前の小さなお店です。店内に入ると常連客でいっぱい。1つだけテーブルが空いていたので、入ることができました。おまかせ食堂ということもあり、コース料理が中心のようでした。

牡蠣を素材にしたコース料理がオススメでしたが、私はどう料理しても牡蠣が食べられないので、「レディスディナー」を頼みました。飲み物は大好きなトニックウォーターにしました。しばらくして出てきた料理にびっくり。カレイの唐揚げ、グラタン、野菜の肉巻き、卵焼き、サラダ、酢の物、ご飯でなんと850円。上品でとてもおいしくて、コスパ最高の夕食を堪能することができました。

この店のシェフは全国のグルメのイベントがある際には必ず呼ばれるのだとか。有名な料理人のようです。どおりでおいしいはずです。教えてくれた宿のオーナーに感謝です。この周辺には安くておいしいお店が多いそうです。次回また来たときには巡ってみたいと思います。

ディナー後は猫じゃらしでテンションMAXに!

最近は、猫にハーネスを付けたり、ペットカートに乗せて外出する飼い主も多くなりました。福岡市内では、季節によってたくさんの花が見られる国営海の中道海浜公園、池や庭園が美しい大濠公園、テラス席にペットが入れるマンマミーヤーというイタリアンレストランがある福岡市海浜公園「海っぴビーチ」MARIZONなど、ペット可のお出かけスポットが数多くありますので、猫との旅も楽しいと思います。事前にインターネットで検索をしながら、旅の予定を決めておくと安心して楽しむことができるでしょう。

残念ながら、わが家の猫は完全室内飼育なので、宿のお部屋で遊びました。ケージの外には出さないでという宿が多いなか(特に猫は)、この宿は本当に貴重です。「どうぞ、ご自由に」という感じですから(笑)。今回はいろいろな種類の猫じゃらしを持参していたので、カルーソもラファエル君も長方形のお部屋を走り回って楽しく遊ぶことができました。おかげで夜はぐっすりでした。

滞在中、ほかの部屋のペットの声や生活音はまったく聞こえませんでした。すぐそばを走る電車の音も気になりません。ですから、猫たちも思いっきり遊ぶことができました。音を気にしないでいいのは、飼い主としては、とても嬉しいことです。防音がしっかりとなされている快適な宿だと思いました。

博多ラーメンのお土産付き!?

翌朝は7時ごろに起床をして、カルーソとラファエル君は早めの朝食です。私は宿の前のコンビニエンスストアでサンドイッチを購入して、部屋で食べることにしました。9時に出発する予定で準備をしていると、部屋をノックする音が聞こえてきました。「何?」と思いながらドアを開けると、宿のオーナーがニコニコしながら立っていました。

「これ、おいしい博多ラーメン。お土産ね」と。飼い主にもペットにも優しいオーナーさんです。リピーターが多いと聞いていましたが、その意味を実感する出来事でした。チェックインからチェックアウトまで、いろいろなサポートをしてくれたオーナー。その人柄がこの宿のもうひとつの魅力だと感じました。

さあ、キャットショー2日目に出発です。

キャットショーを終えて帰路へ

2日目もカルーソとラファエル君はキャットショーを頑張ってくれました。つねにテンションが高いラファエル君ですが、控えケージでは私の手の上に頭を乗せて寝ていました。初めての場所でもリラックスできてよかったです。

16時にはキャットショーも終了し、片付けをして、クルマで福岡空港へ向かいました。フライトの時間まで余裕がありましたので、空港近くのレストランで一休み。猫たちは車内で休んでもらいました。前菜セットとポテトフライを注文したのですが、これがなかなかおいしい。特にポテトフライは、お皿の真ん中にあるソースがおいしくて十分に楽しめました。よい休憩になりました。

その後、レンタカーを返却して、福岡空港のJALカウンターで往路と同じようにチェックイン。カルーソとラファエル君はJALのスタッフに「カッコいい、カッコいい」と褒められ、言葉がわかるのか尻尾をブンブン振りながら喜んでいる様子でした。1時間10分のフライトを終え、羽田空港に無事に到着し、クルマで帰路に着きました。こうして今回の1泊2日の旅が終わりました。

まとめ

今回の旅はキャットショーへの参加が目的でしたが、「Yogo Zassho House」は想像以上に快適な宿でした。猫たちがストレスフリーで過ごせることはもちろん、とても清潔で、防音もされている快適な空間。何よりオーナーのサポートやおもてなしにも好感がもてます。紹介してもらったレストランもおいしくてコスパ最高。ぜひ、また訪れたいと思います。私もカルーソもラファエル君も大満足の1泊2日の旅でした!

「Yogo Zassho House」と同じエリアに、同じオーナーが経営する「善き羊飼いの舎」という宿があります。同じようなペット可の宿です。無料の駐車場とドッグランもあるので、愛犬を連れて宿泊の場合は、こちらにお問い合わせされることをオススメします。

[ペットジャーナリスト 阪根美果]