【猫飼いTIPS】猫の毛繕いの秘密とは?

[2019/05/24 6:01 am | 編集部]

猫は暇さえあれば自分の体の毛繕いをしています。キレイ好きな猫ですから、もちろん被毛を清潔にするためなのですが、じつはそれだけではないようです。今回は猫の毛繕いの秘密についてお話しします。

猫の毛は皮膚を守るために必要なもの

人間も猫も同じように毛の生える根元の部分に毛包(もうほう)があります。人間の場合は、そこから1本の太い毛が生えているだけですが、猫の場合は主毛(しゅもう)と呼ばれる太めの毛と、その周りに副毛(ふくもう)と呼ばれる毛が数本生えています。個体によりその数は違いますが、被毛の密度は人間と比べると、かなり濃くなります。密集して生えていると言ったほうがわかりやすいでしょう。

主毛には水をはじき、紫外線をブロックして日差しから皮膚を守っています。副毛は軽いウエーブがかかっているので、毛の間にたくさんの空気を含むことができる構造です。これにより、寒い冬には保温効果が高く、逆に暑い夏には断熱材の役目を持ちます。また、密集している被毛はクッション性が高く、外部からの衝撃を和らげます。このように猫の被毛は紫外線、寒さ、暑さ、外部からの衝撃など、外からの刺激から皮膚を守るために必要なものなのです。

猫は毛繕いが大好きです

猫を見ると、いつも毛繕いをしています。猫は1日の内のほとんどの時間を寝て過ごしていますが、起きている時間の10~30%を毛繕いに費やしていると言われています。もともと狩りをしながら外で生活していた猫は、被毛を舐めてニオイを消し、獲物や敵に気づかれないようにしていました。家のなかで暮らすようになった現在でも毛繕いをしています。

その目的のひとつは被毛を清潔に保つためです。舌の表面のザラザラした「糸状突起」と呼ばれる突起で、抜け毛や体に付いたゴミを取り除き、毛玉や皮膚炎を予防しています。また、猫の唾液には殺菌作用があり、舐めることで体を清潔に保っています。ストレスを感じたときにも気持ちを落ち着かせるために毛繕いをします。

子猫のころに母猫のザラザラした舌で舐めてもらった感覚を覚えているので、不安を感じたときや緊張したとき、ストレスを感じたときには、自分で体を舐めて気持ちを落ち着かせようとするのです。また、猫の体は日光浴すると表面にビタミンDを生成します。ビタミンDは、骨や歯の発育に必要で、猫には欠かせない栄養素なのです。毛繕いしながら舐めることで、そのビタミンDを体に取り入れているのです。

そして、人間と違って猫は汗腺がほとんどないため汗をかきません。発汗により体温調節ができないため、暑い夏は体を舐めることにより、唾液を気化させて体温を下げているのです。また、猫は猫同士で舐め合ったり、飼い主の手や顔などを舐めることがあります。これは仲間に対する猫の「愛情表現」で、信頼関係があるもの同士がコミュニケーションをとっているのです。

このように、猫にとって毛繕いは生きるうえでなくてはならない大切な行動なのです。

猫の毛繕いには順番がある?

多少の個体差はあるものの、猫の毛繕いには順番があるといわれています。まずは顔周りから始めます。前足の内側を舐めて被毛を湿らせて顔をキレイにします。そして、体周りです。前足、肩、脇腹、背中をキレイにします。

最後はお尻周りです。後ろ足を上げてお尻、腰、後ろ足、尻尾をキレイにします。この順番でしているかどうか、愛猫を観察してみましょう。順番が違っていたら個性的ということです。

では、ブラッシングは必要ないの?

毎日のように毛繕いをしているのであれば、「ブラッシングは必要ないのでは?」とも思いますが、じつは短毛種も長毛種も飼い主がサポートしてあげる必要があります。柔軟性のある猫であっても首の後ろ、耳の後ろ、足の裏、顎など猫の舌が届かない場所があるからです。

とくに長毛種は毛玉になりやすく、大きいものはカットしなければ取ることができません。毛玉の部分は湿度が高くなるので、雑菌が繁殖しやすく皮膚病の原因にもなります。美しい被毛を保つためにはお手入れは不可欠です。子猫のころから毎日のブラッシングに慣らしておくことが大切です。

また、ブラッシングは体の血行をよくする効果もあります。短毛種も週に1~2回はブラッシングを行い、健康チェックとともにスキンシップを取るようにするとよいでしょう。とくに季節の変わり目などの換毛期は、ブラス寝具の頻度を上げて対応することをオススメします。

飲み込んだ毛が出ないと病気になるの?

毛繕いの際に猫が飲み込んだ毛は、猫が吐き出したり、便に混ざって排出されたりします。猫がよく吐くのは、このためでもあります。しかし、猫によっては上手に吐き出せないこともあり、胃や腸のなかで毛玉のように固まってしまう「毛球症」になってしまうこともあります。

毛は体内で消化されることはありません。胃のなかで親指大くらいのときには、たまに吐く程度でほとんどの場合は無症状です。しかし、胃のなかで限界を超えると、食欲不振や吐き気などの症状が出ます。毛玉が腸に達した場合には何度も吐き、下痢や腹痛が表れます。

重症化した場合には腹膜炎をおこし、命の危険があります。早急な治療が必要となります。長毛種は換毛期など注意が必要です。また、神経質な猫は長毛種に限らず頻繁に毛繕いをするので、毛球症になりやすいといえます。また、老猫は吐き戻す力が弱く、胃腸の働きが弱まるので、注意深く見守りましょう。

毛球症を予防するには、ブラッシングが一番の方法です。猫が舐めてしまう前に取り除いてしまえば、飲み込む量も少なくて済みます。最近では、毛玉ケア用のフードもたくさんありますので、長毛種や換毛期にはそのようなフードを与えるのもひとつの方法です。

まとめ

ブラッシング好きにさせるためには、それが楽しいものと認識してもらう必要があります。おもちゃで遊ぶように楽しそうな雰囲気をつくって、できるところからブラッシングします。“嫌がったらやめる”が基本です。痛い思いをしたら、ブラシを見ただけで逃げるようになってしまいます。楽しみながら行うようにしましょう。

[編集部]