無理しない愛犬・愛猫介護のススメ 第2回「シニア期からの運動と飼育環境」【猫編】

[2019/01/08 6:01 am | 阪根美果]

若い頃はいろいろなものに好奇心旺盛であった愛猫も、老化とともに興味を示さなくなっていきます。犬の場合は認知症になるリスクが高いのですが、猫の場合は、認知症を発症することは稀で、年を重ねても本能的に活動意欲を持ち続けます。しかし、単調な生活は好奇心を失わせる要因になりますので、猫の意欲を満たせるような遊びを工夫することが大切です。また、猫も老いとともに筋肉が衰えてきます。いままでと同じ住環境では生活に支障がでてくる場合があります。その状況に合わせて、ストレスのない長生きができるような環境を整えてあげる必要があります。

前回は「無理しない介護」についてご紹介しましたが、 第2回は「シニア期からの運動と飼育環境」についてお話します。

脳を活性化させる遊びとは

①おもちゃで好奇心をあおる

猫は本能的に動くものを追いかける性質があります。老猫であっても、動くものには機敏に反応を示します。猫のおもちゃにはいろいろなタイプのものがありますが、飼い主とコミュニケーションを取りながら遊べる猫じゃらしなどが有効的です。猫の性格に合わせた遊びであることも大切です。ただし、体力を消耗してしまうほどの激しい遊びや長時間遊ぶことは避けたほうがよいでしょう。

①マタタビを有効的に使う

マタタビは、山地など日本に広く自生する落葉つる植物のことです。猫はマタタビから出る成分を感知して、個体差はありますが、多くの猫はハイな状態になります。8割程度の猫がマタタビで喜んだ状態になるといわれています。主な効果は「食欲増進」「ストレス軽減」「老化防止」「虫歯予防」です。おもちゃやフードに興味を持たせたいときに使用するとよいでしょう。飼い主が愛猫の様子を見ながら、少量ずつ与えることが大切です。

②マッサージで安心感を与える

猫によって接触を好むタイプと好まないタイプがいます。飼い主は愛猫の性格に合わせて、コミュニケーションをとる必要があります。接触を好まない場合は、マッサージは有効な手段ではありません。その場合は、落ち着く効果がある猫のフェロモン製品を使用するとよいでしょう。猫の頬からはフェイシャルフェロモンが出ていて、それを製品化したものがいろいろと販売されています。副作用がなく、安心して使用できるものを取り入れるとよいでしょう。

 

室内での遊びの注意点

猫の運動に適しているのは、キャットタワーです。老猫には2段程度の低めのキャットタワーが適しています。高すぎるものは筋力の衰えた老猫には危険です。ジャンプに失敗してケガをしたり、落下したりする可能性があるからです。キャットタワーにも上がれない場合には、おもちゃを目で追うだけでもストレス解消になります。飼い主がいろいろと工夫をして遊んであげましょう。高齢になって室内飼育に変えた場合には、外に出たがり暴れてしまうこともあります。ストレスが解消できるように、猫じゃらし等で十分に遊んであげることが大切です。

飼育環境を快適に整える

①リビングを生活スペースにする

リビングなどの広い場所を猫の生活兼運動スペースにしましょう。来客が苦手な場合は、隠れることができるスペースを用意します。老猫は環境の変化に敏感です。家具の移動や飼育頭数の増加により、ストレスを抱えてしまう傾向にあります。住環境には配慮が必要です。

②窓の近くにくつろぐスペースを設ける

猫は基本的に散歩には行かないので、窓の近くの寛ぐスペースで外を見られるようにします。外を眺めることでよい刺激となります。

③滑りにくく、掃除がしやすい床にする

筋力が低下した老猫の四肢はとても弱くなります。滑りやすい床では、ケガのリスクが高まります。フローリングであればカーペットを敷いたり、滑り止めワックスを塗るなどして、滑らないようにしましょう。また、老猫は粗相をしてしまうこともありますので、防水性が高く、ふき取り可能なタイルカーペットなどを敷くのもオススメです。

④低めのキャットタワーを設置する

老猫であっても上下運動は必要です。筋力低下によるケガを防ぐために2段程度のキャットタワーを設置するとよいでしょう。

⑤トイレは落ち着ける場所に設置する

猫は落ち着いた場所で排泄することを好むので、部屋の隅などなるべく人の導線にならない場所にトイレを設置しましょう。また、好みの猫砂を用意してあげましょう。

⑥温度・湿度で快適な環境を整える

部屋の温度は25度前後、湿度は50%前後が快適といわれています。高温多湿は愛猫にとっても心身の負担になります。新陳代謝も低下している老猫には、体力的にも負担になります。若いころ以上に気を付ける必要があります。しかし、猫は日向ぼっこが好きです。体が熱くなると冷やす傾向にあります。体を冷やせるマットを用意するなどするとよいでしょう。

まとめ

猫は昼間は外に遊びに行き、夜は家に戻ってくるという生活をしていることがあります。しかし、年を取って体力が衰えてくると、外での生活は過酷となり、健康上の問題が生じるリスクが高まります。愛猫がシニア期に入ったら、家のなかで生活することも考える必要があるでしょう。長生きをしてもらうためにどうすればよいかを考えてみましょう。

第3回は「シニア期からの食事」についてお伝えする予定です。

[阪根美果]