犬・猫を学ぼう Vol.2

「ぺットセーバー(ペットの救急隊員)」編

[2020/11/16 6:01 am | 編集部]

犬や猫について学ぶことは、仕事として業に携わる人だけでなく一般の飼い主さんにもとても大切なことです。その知識や経験は日々の愛犬や愛猫との生活に活かせるだけでなく、いざというときに飼い主さんが力を発揮できることにもなります。愛犬や愛猫にとってそれほど安心なことはありません。

犬や猫についての資格取得を目指した学びは、そんな知識や経験を正しい情報として得るために役立ちます。しかし、インターネット上には数えきれないくらいの資格等が紹介されていて、いったいどれが自分に向いているだろうかと迷ってしまいます。そこで、ペトハピのスタッフが実際に資格取得を目指して、体験してみることにしました。

今回はペット防災救急研究会が実施している、「ベイシック&アドバンス講習」と「ERT講習」を受講して「ペットセーバー(ペットの救急隊員)」の認定資格取得を目指しました。この資格はアメリカで発足し、日本では一般社団法人日本国際動物救命救急協会、一般社団法人日本防災教育訓練センターが正式に認定する国際資格です。

一般的な飼養責任者、動物占有者、消防士向けに災害や事故時におけるペットの救出救助・救命救急活動に必要な目的達成のためのプログラムで構成されています。いざというときにペットの命を守るために、飼い主自身がペットの救急隊員になり対応をする。「助かる命を助ける」ということを第1の目的としているのです。

まずはネットから申し込み

まずはペット防災救急研究会の公式サイトから申し込みをします。受講の方法は、「ベイシック&アドバンス講習(7500円/税別)」と「ベイシック&アドバンス講習+ペットセーバーERT講習(1万5000円/税別)」の2つから選べます。ただし、「ペットセーバーERT講習(7500円/税別)」は「ベイシック&アドバンス講習」の受講を終えた人しか受講することはできません。どちらの資格も講習を受講することで認定資格を取得することができます。ですから、しっかりとこの講習で学べば、誰もが資格取得が可能なのです。

講習の当日は大船会場まで移動

今回は大船会場で受講することにしました。講習会場では、まず入り口で検温と手の消毒がありました。マスクはもちろん必須です。新型コロナウイルスへの対応です。その後、スタッフに名前を告げて、受付を済ませます。席は指定されていないので、空いている席に座りました。3人掛けの長テーブルの端と端にひとりずつ座るようにソーシャル・ディスタンシングがなされていました。この講習では実技の時間があるということだったので、トレーナーにジーンズという動きやすい服装での参加です。

どんなことを学ぶの?

まず、講師の先生の自己紹介があり、その後「ベイシック&アドバンス講習」が始まりました。アメリカで発足した資格であり、まずはアメリカのペットの救急救命などについての現状などが伝えられました。また、世界にはペットの救急救命や救助法指導団体がたくさん存在しているのですが、日本にはまだないということで、このような啓蒙活動が必要であることを知らされました。

日本においては「動物の愛護及び管理に関する法律 第一章 総則」の(目的)第一条のなかに「~動物の健康及び安全の保持等の動物の愛護に関する事項を定めて~」との記述がありますが、まだまだその部分が抜け落ちていて啓蒙すらなされていません。ペットが不慮の事故により負傷したり、急病の場合には獣医師が来るか、獣医師のところへ運ぶかするまでの間、飼い主やペットを預かる動物占有者が一時的に処置や手当をすることが大切で、そのようなペットの「救命措置」「救急処置」の必要性を理解し、その方法をこの講習のなかで学びます。

この「ベイシック&アドバンス講習」では、主にペットの救命法について学びました。心肺蘇生法や人工呼吸法など実際に「もしもこんな事態になったら」ということを想定して、声を出して、実際に動いてみたりします。このような実技の時間もあるので、実践的で楽しく学ぶことができました。

休憩をはさんで、「ペットセーバーERT講習」が始まりました。ERTとは、“Emergency Rescue Technician”の略で、主にペットの救助法について学びます。ペットがケガをしたり病気が突発した場合には、とりあえず現場にいる人が手当てや処置をする必要があります。止血法や骨折時の処置など、悪化するのを予防したり、痛みが和らぐようにするために必要な救急法を、実技を交えて学びました。こちらも実践的で楽しく学べました。

講習後にすぐに認定証が発行

講習が終わるとすぐに認定証が授与されます。アメリカの認定資格になりますので、すべて英語表記になっています。会場では、ペットセーバー用のオリジナルTシャツやグッズも購入することができます。主催のペット防災救急研究会のHPでも紹介されています。

まとめ

この2つの講習は、ペットの「救命措置」「救急処置」への意識を高めるのにとてもよいものだと思いました。講師の先生が実際に現場を経験している方でしたので、とてもわかりやすく、納得のいく内容でした。また、実技を交えて、実践的な知識を高められるとともに、同じ意識をもつ愛犬家・愛猫家とも交流がもてるので、真剣にそして楽しく講習を受けることができました。ペットに関わる仕事をしている方、またペットの飼い主さんにはぜひオススメの認定資格です。

難易度

★☆☆☆☆(簡単レベル)

[編集部]