新年あけましておめでとうございます。

[2022/01/01 6:01 am | 編集長 国久豊史]

今年は寅年です。よく「今年の干支は」といいますが、干支は「十干」と「十二支」の組み合わせになります。今年の十干は「壬」、十二支は「寅」となり、干支は「壬寅(みずのえとら)」となります。

陰陽五行思想では、十干、十二支ともに、木・火・土・金・水と5種の基本要素をあて、それぞれに陰と陽が存在すると考えます。「壬(みずのえ)」は十干の9番目で水・陽となり、「寅(とら)」は十二支の3番目で木があてられます。その関係は、「水生木(すいしょうもく)」で「相生(そうせい)」となります。相生とは創造、すなわち相手を生み出していく陽の関係で、「水が木を生む」という相乗効果を意味します。

「壬」は、妊(孕む)に通じ、担う(任せる)という意味に派生しました。つまり、蓄えた陽気で次代の礎を築くということです。生物であれば子孫を残すための繁殖期、事業であれば発展を任せる人を見定めるというイメージでしょうか。

陽明学者・思想家の安岡正篤は、任せるというのはなかなか難しく、世の中の成り行きにうまく便乗して、私心・私欲をほしいままにしようとする輩がいると教えています。

十二支の「寅」は、木・陽に分類されます。木は、成長、発育、誕生など春の象徴です。暖かくなってようやく種からでた芽が地上に顔を出す、春の胎動を感じさせるイメージです。つまり「寅」は、強く大きく成長するといったことを表しているのです。

以上のことから、壬寅の今年は、「前年に蓄えたエネルギーがいよいよ活動をはじめる年」と言えるのではないでしょうか。厳しい冬を乗り越えたからこそ春の萌芽は生命力に満ち溢れ、強く美しいのです。そして、活動のさらなる発展には協力が必要です。信頼できる仲間と相互に協力して物事を進める。そんな年だと思うのです。

ペット業界では、昨年、改正動物愛護法が一部施行され、第一種動物取扱業による適正飼養が段階的に厳格化されます。これは、人と動物の幸せな共生社会を実現するために必要な措置であることは間違いありません。

人と動物の幸せな共生社会とは、不幸なペットがいない社会と言い換えられます。現在、日本だけでなく世界中で保護活動が活発になっています。1頭でも多くの行き場のないペットを救うという活動は素晴らしいものです。しかしこのままでは、遅からず飽和状態に達してしまいます。大切なのは、今いる不幸なペットたちを救うことと並行して、不幸なペットを生み出さないことです。

そのためには、今年の干支の意味のように、「信頼できる仲間と相互に協力して物事を進める」ことではないでしょうか。ペトハピは今年、「不幸なペットを生み出さない」ための新たな仕組みづくりに取り掛かります。そして、それは自社だけでなく、同じ志をもつ方々との連携によって実現できると思っています。倫理的なペットとの共生社会への第一歩として。

本年もよろしくお願いいたします。

[編集長 国久豊史]