猫と一緒に旅に出よう! Vol.3

【猫旅】オシャレなアパートメントに泊まる旅(大阪編)

[2020/03/13 6:01 am | ペットジャーナリスト 阪根美果]

今回は大阪府大阪市のECO動物海洋専門学校で開催されるキャットショーに参加するために、愛猫カルーソ&オーナー宅のラファエル君とともに1泊2日の旅をしました。泊まる宿はJR西九条駅から徒歩4分にある「CASA WHINNY Nishikujo」です。大阪伊丹空港からクルマで25分とアクセスもよく、近くには飲食店もあり便利なところにあります。さっそく猫と一緒の旅をご紹介しましょう。

羽田空港から飛行機に乗る

千葉県在住の私は自宅最寄りのインターチェンジから高速道路に乗って羽田空港に向かいます。今回はキャットショーがあるのは1日だけなのですが、早い時間に始まるので前泊することにしました。14:15発のJALを利用するので発着は第1ターミナルです。中途半端な時間帯なので、駐車場が満車の可能性が高かったため、あらかじめ知人にお願いして羽田空港まで来てもらい、クルマを預けることにしました。予想どおり駐車場は満車。頼んでおいてよかったです。2F出発ロビーの端付近は降車など一時的な停車ができるので、ラクに移動することができました。

私はいつも「トラベラーズサポート」という会社で航空券を購入しています。かなりリーズナブルなので、頻繁に利用しています。その確認番号と予約番号等が書かれた用紙をプリントアウトして持参し、JALのカウンターで搭乗手続きをします。ペットを連れている場合には多少時間がかかるので、早めに空港に行って搭乗手続きをすることをオススメします。猫たちと手荷物を預け、控えを受け取ります。大阪伊丹空港で猫を受け取るときには必ずこの控えが必要になりますので、失くさないように保管しておきます。

トラベラーズサポートのトップページ

フライトの20分前までに保安検査場は済まさなければいけません。週末や大型連休時は時間帯によっては混雑するので、30分前を目安に向かうのが得策です(遅れそうなときには係員に声をかけると先に入らせてもらえます)。新型コロナウイルスの影響でしょうか、空港の職員も搭乗客もほとんどの人がマスク姿。緊張が漂っていました。無事に保安検査場を通過して、遅い昼食を取ることにしました。崎陽軒のシュウマイ弁当が目に入り買おうとすると、目の前で最後の1個が売れてしまいました。それでもシュウマイをあきらめきれず、同じ崎陽軒のチャーハン弁当を購入。シュウマイ2個だけでしたが、おいしくいただきました(笑)。

さあ、飛行機に搭乗です。

大阪伊丹空港からレンタカーで移動

搭乗した飛行機はオリンピック仕様で、機体や機内の座席カバーにマスコットが描かれていました。だんだんとオリンピックが近くなっていることを感じさせます。羽田空港から大阪伊丹空港までは50分ほどのフライトで、あっという間に到着。この空港では荷物を受け取るターンテーブルの近くにJALのカウンターがあり、そこでカルーソとラファエル君を受け取りました。羽田空港で渡された手荷物番号の控えで番号を確認してから引き渡されます。その後、ターンテーブルでほかの荷物を受け取り、今度はANAのエリアへ移動しました。

ANAのエリアへ移動した理由ですが、今回はラファエル君のオーナーさんが青森から来ることになっていたからです。ほどなく無事に合流できました。今回も荷物が多く、猫も2頭なので事前にレンタカーを予約していました。今回もペットを同乗させることが可能なオリックスレンタカーです。大阪伊丹空港にはレンタカーステーションがあり、たくさんのレンタカーがそこから発着しています。

到着ロビーを出て、どこまでも左に進むと行き着きます。建物内にはいくつかのレンタカー会社のカウンターがあります。オリックスレンタカーは入口を入って一番右手のカウンターでした。私が予約しておいたクルマは「Sクラス コンパクトカー」です。小さめのサイズですが、十分の広さがありました。後部座席を倒して利用すればかなりの荷物を積むことができます。2日間借りて7000円程度と、とてもリーズナブル。ペット同乗の同意書にもサインをして、今夜に宿泊する宿に向けて出発しました。

今回の宿「CASA WHINNY Nishikujo」へ向かう

この宿はいま流行の「民泊」と呼ばれる宿です。私は「Booking.com」という予約サイトを利用しました。ペットは犬・猫が宿泊可能ですが、誓約書へのサインは必要ありませんでした(犬の場合も狂犬病ワクチン接種の証明書などの提示は不要)。すべては飼い主のモラルに任せているそうです。部屋も共有スペースもペットのニオイもなく、しっかりと清掃がなされていて、とても居心地のよい宿でした。

宿には駐車場はありません。クルマの場合は、近くに大きな時間貸しの駐車場があるので、そこを利用することになります。駐車料金は1泊で700円でした。チェックインの少し前に宿のオーナーに電話をすると、宿の前で待っていてくれます。ここは古い1軒家を改装した宿で変わった造りをしています。泊まれる部屋は2部屋のみで、1Fと3Fが宿泊できる部屋です。2Fは宿泊者の共有スペースとなっています。

外観からはちょっと想像ができない、オシャレな雰囲気の内装です。共有スペースはリビングダイニングキッチン仕様で、大きなダイニングテーブル、キッチン、冷蔵庫、電子レンジ、コーヒーメーカー、トースター、電気ポット、食器、ソファ、テレビなどが完備されています。また、シャワールーム、洗濯機、掃除機もあり、長期間の宿泊にも対応できるようになっています。室内は禁煙ですが、3Fのベランダが喫煙スペースになっていて、椅子やテーブルも用意されています。そのほか、バスタオルやフェイスタオル、使い捨て歯ブラシ、シャンプー、リンス、ボディソープが用意されています。ただ、ペット用品は何もありませんので、全て持参する必要があります。

私たちが泊ったのは3Fの部屋です。2つの部屋を繋げた感じで、シングルベットが3台、2段ベッドが1台ある5人が泊れる広々とした空間になっていました。トイレや洗面台もあり、やはりオシャレでキレイな部屋でした。もちろんペット臭はありません。

今回はワンタッチで簡単に組み立てられる「Sturdi ペットツインケージ」をカルーソとラファエル君用に持参していました。2段ベットの前にビニールシートを敷いて、その上にテントケージを設置。テント内には敷物とトイレを設置。カバーをかけて安心して過ごせるようにします。この宿は基本的に猫を部屋に放しても大丈夫なのですが、外出する際には悪戯などをしないように、何かしらのケージを持参することをオススメします。今回もカルーソとラファエル君には私たちの外出時やお風呂時、就寝時にはテントに入って過ごしてもらいました。

本当に快適な部屋ですが、ひとつだけ難点がありました。3Fの部屋に上がる階段がとても狭く、かなり急で、手摺りをうまく使って落ちないように気を付ける必要があります。荷物を上げるのに少々苦労しました。そのため、荷物が大きい、または多い場合には1Fの部屋を予約されることをオススメします。

ガード下の居酒屋で楽しい夕食

猫たちのテントケージの設置が終わったら、しばらく休憩です。その後、猫たちは先に夕食を済ませました。今回もチェックイン時に宿のオーナーさんにおいしいお店を教えていただきました。この宿はJR西九条駅から近く、駅のガード下に居酒屋さんがあることを聞きました。そのほか、駅周辺にはさまざまな飲食店があるということなので、歩いて行ってみることにしました。どこのお店にしようかガード下を歩いていると、もうすでに19:30を過ぎているというのに開店準備をしているお店が。どうにもそのお店が気になって、そこで夕食をとることにしました。「あの~、お店は開いていますか?」と聞くと人懐っこい笑顔で店主が迎えてくれました。

「串・一品料理 福家」という居酒屋です。古き良き時代のお店という感じで、レトロ感たっぷり。流れる曲は昭和の歌謡曲です。テレビや雑誌にも取り上げられているお店らしく、有名人のサインなどもお店に飾られていました。店主は根っからの大阪人らしく、とっても気さくな方。お店の常連客や観光客とともに、いろいろな話に花が咲きました。

このJR西九条駅は、USJ(ユニバーサルスタジオジャパン)へ来た観光客がよく訪れる場所だそうです。USJのホテルの周りには何もないからのようで、この日も新潟からUSJに社員旅行で来た観光客が来店していました。私たちが注文したのは串揚げや一口ステーキ、鳥雑炊などで、ビールや梅酒とともにおいしくいただきました。終始笑っていることが多く、本当に楽しい時間でした。みなさんとの再会を約束して宿に戻りました。

宿に戻ってから2Fの共有スペースにあるシャワールームを使用しました。脱衣所には鍵がないので、同行されている方に外で待っていてもらうか、ドアに使用中と書いた紙を貼っておくことをオススメします。バスタブはありませんので、それが苦手な方は近くの銭湯を利用されるとよいと思います。その後、しばらくカルーソとラファエル君と遊んでから就寝しました。

部屋で猫を遊ばせる際に気を付けることは?

今回は「部屋で猫を遊ばせてもいいですよ」というありがたい宿ですが、やはり飼い主が気を付けることはたくさんあります。猫の習性を飼い主がしっかりと理解したうえで、愛猫を見守りながら遊ばせる必要があります。

まず、壁や床で爪とぎをしないように気を付けます。旅行前にはしっかりと前足・後ろ足の爪切りをしておくことをオススメします。爪を切っておくことで、壁や床に傷をつけることを防ぐ、または最小限にとどめることができます。また、見守っていれば爪とぎをしそうになったときにも、音で合図するなどして止めさせることができます。

また、粗相を防ぐためには、テントゲージ内でトイレをしたのを確認してから遊ばせると安心です。特に絨毯やクッション、布団などの上で粗相をすることがあるので注意が必要です。トイレもテントケージ内から出して、わかりやすい場所に置くのもよいでしょう。す。ただ、マーキングをする猫の場合は、新しい場所には自分のニオイをつけたがるので、テントケージ内で過ごさせるのが賢明でしょう。

今回の宿もそうですが、洋室の場合はベッド仕様です。床とベッドとの間には猫が入れる隙間があることが多いです。いったん入るとなかなか出てこないことがあるので、猫じゃらしや好きなおもちゃを持参して、おびき寄せられるように準備しておきます。また、自宅とは違って壊れやすいものが置いてある場合があります。猫を遊ばせる前に安全な場所に移動させておきます。

しかし、万が一床や壁に傷をつけてしまったり、粗相をしたり、物を壊してしまった場合には正直に宿のオーナーに伝えましょう。それが飼い主としての責任であり、モラル・マナーです。猫が泊れる宿は少なく、また「部屋で猫を遊ばせてもいいですよ」という宿はとても貴重です。みなさんがきちんと過ごすことで、愛猫が楽しく過ごすことができる宿が存続すると思っています。

いざ、キャットショーへ

宿を出る前にはコロコロなどをかけて、できる限り部屋に猫の抜け毛を残さないように掃除します。準備を整えて、8:00に宿を出発しました。朝は宿のオーナーはいませんので、鍵を閉めてキーボックスに鍵を入れてチェックアウトです。宿からキャットショーの会場であるECO動物海洋専門学校まではクルマで15分程度でしたので、あっという間に到着しました。専門学校の入口をはいると3頭のアルパカが出迎えてくれました。近くで見ると大きい(笑)。そして、エレベーターで一緒になったのが2頭のヤギ。とても慣れていて、「待て」がちゃんとできていました。ヤギも賢いということを知りました。

今回のキャットショーはTICA傘下のNAGが主催するものです。カルーソもラファエル君も、旅の疲れを感じさせないくらい頑張ってくれました。多少、ラファエル君がご機嫌斜めになったリンクがありました。どうも男性ジャッジが嫌いなようでした。明らかに女性ジャッジに審査される態度と違うので、笑ってしまいました。ラファエル君も1歳になりました。恋をする時期になったからかなあ(笑)。

キャットショーを終えて帰路へ

キャットショーも18:00ころには終了し、片付けをしてクルマで伊丹空港に向かいました。レンタカーは返却前に指定のガソリンスタンドで満タン給油しなければいけません。オリックスレンタカーに指定されたガソリンスタンドに向かったのですが、日曜日は18:00で閉店らしく給油できませんでした。遅い時間に返却する際には注意が必要です。仕方がないので、少し離れたガソリンスタンドで給油しました。こういうこともあるので、時間に余裕を持って空港に向かうことをオススメします。

出発時と同じ場所にレンタカーを返却します。荷物を載せるカートはレンタカー会社の建物の外に置いてありました。今回も荷物が多いので自分で台車を持っていましたが、空港のカートは安定感があるので、見つけたら使うことにしています。JALカウンターまで移動して往路と同じようにチェックイン。カルーソとラファエル君はJALのスタッフに「カッコいい、カッコいい」と褒められ、嬉しそうにしていました。

飛行機は予定どおりに羽田空港へ無事に到着。羽田空港では手荷物を受け取るレーンがいくつかありますが、猫を受け取るのはちょうど中央辺りのレーン横のカウンターになります。しばらく待っていると、JALのスタッフが猫たちを連れて出てきます。今回は手荷物よりも早くカルーソとラファエル君が出てきました。ナンバーを確認して受け取りました。近くに置いてあるカートに載せて、手荷物が出てくるのを待ちます。5分後に手荷物を受け取ることができました。

帰路では、カルーソとラファエル君はぐっすり寝ていました。ラファエル君のいびきまで聞こえてきましたよ。本当にお疲れさまでした。こうして今回の1泊2日の旅が終わりました。

まとめ

今回の旅も前回同様にキャットショーへの参加が目的でしたが、「CASA WHINNY Nishikujo」がとても快適で、素敵な旅となりました。この宿からはどこへ観光に行くにも便利だと思います。ペット連れの観光にはぜひにとオススメです。オシャレで、清潔で、嫌なニオイもなく、猫たちも部屋で自由に過ごす時間もあり、カルーソやラファエル君にとっても楽しい旅だったと思います。また、知人ブリーダーと一緒だったことやガード下の居酒屋で素敵な出会いもあり、より充実した時間となりました。またまた大満足の1泊2日の旅でした。

[ペットジャーナリスト 阪根美果]