猫と一緒に旅に出よう! Vol.2

【猫旅】ストレスフリーの快適な宿に泊まる旅(福岡編・第2弾)

[2020/02/03 6:01 am | ペットジャーナリスト 阪根美果]

今回も福岡タワーで行われるキャットショーに参加するため、愛猫のカルーソと知人宅のラファエル君とともに前回と同様に1泊2日の旅をしました。泊まるホテルは前回と同じで、福岡県博多市の天神大牟田線の雑餉隈駅から徒歩1分にある「Yogo Zassho House」です。福岡空港からもクルマで20分程度というアクセスがとてもよい場所に位置して、商店街もあり食事には困りません。前回に伝え切れなかった情報とともに、猫と一緒の旅をご紹介します。

羽田空港から飛行機に乗る

千葉県在住の私は自宅最寄りのインターチェンジから高速道路に乗って羽田空港に向かいます。今回は8:00発のJALを利用するので発着は第1ターミナルなので、一番近い駐車場はP1です。比較的早い時間だったにも関わらず、すでに6F(屋上)の駐車場しか空いていませんでした。荷物が多いし、この日は雨だったので屋根のない6Fは大変でした。6Fには荷物を載せて運べるカートが置いてないので、荷物が多い場合は自分で折りたたみ式の台車などを持っていくことをオススメします。駐車場から第1ターミナルへの連絡通路は3Fになるので、エレベーターで3Fまで下りて移動します。移動後、さらに1Fのチェックインカウンターに向かいます。

猫を連れている場合には、手荷物を預けるカウンター付近いるJALのスタッフに「猫を連れています」と声をかけると、並ばなくても空いているカウンターに優先的に案内してくれます。私が連れているカルーソとラファエル君は大型猫種のメインクーンなので、大きめのキャリーバックにカバーをかけて預けます。「猫が怖がるのでカバーしたままで預けたいのですが」と伝えれば、そのまま預けることができます。キャリーバッグは破損しないものでないといけないので、布製ではなくプラスチックなどのハードタイプが良いです。入口が網で、チャックで開け閉めという仕様だと、猫が破って出てしまうことがあるからです。カバーはインターネットでも購入できますが、私が使用しているような猫の模様などのかわいいカバーがほしい場合は、TICAやCFAのキャットショーに行くと、出店している雑貨店で購入することができます(3000~3500円程度)。

飛行機内では、猫はペット専用の部屋でキャリーバックに入ったまま過ごすことになるのですが、客室と同じ温度に設定されているので、全面カバーをかけていると暑いようです。私はカウンターでガムテープをもらって、1面だけ開けるようにしています。3面はカバーで覆い、隠れるところをつくってあげます。空港でも事前予約をしておけば、無料でクレートを借りることができます。ただし、カバーはありませんので猫の性格などを考えながら、どちらにするか検討されるとよいと思います。猫の飛行機代はJALの場合は往復12000円かかります。現金でもクレジットカードでも支払いは可能です。頭数分の同意書にサインが必要になります。さあ、猫たちと荷物を預けたら出発です。

福岡空港近隣でお得にレンタカーを借りるコツ

今回は悪天候のため、ところどころ飛行機が揺れました。カルーソとラファエル君は大丈夫だろうかと心配しながら福岡空港に到着しました。手荷物が出てくるターンテーブルでほかの荷物を受け取っていると、JALのスタッフが猫たちを連れてきてくれました。

カルーソは問題なく元気。ラファエル君も元気でしたが、飛行機に酔ったようで嘔吐していました。そういう場合のために、タオルやペットシーツ、ウエットティッシュ、ビニール袋などをすぐに出せるように準備しておくとスムーズです。すぐにふき取り、キャリーバック内もキレイにしました。ラファエル君もキレイにしてもらって、すっきりした様子でした。飛行機が揺れることや愛猫が酔いやすいことが事前にわかっている場合には、ペット用の酔い止めを飲ませておくとよいと思います。

今回も荷物が多く、猫も2頭なので事前にレンタカーを予約していました。オリックスレンタカーは当日に同意書にサインをすれば、追加料金もなくペットを乗せることができます。もちろん、車内で離すことは禁止なので、キャリーバック内で過ごしてもらう必要があります。

空港の目の前にもオリックスレンタカーはあるのですが、私はあえて空港から送迎車に乗っていく支店に予約を入れます。なぜなら、同じ車種でも少し遠い支店の方が安く借りられたり、また希望の車種が残っている場合が多いのです。空港に着いて電話をすると、すぐに送迎車が発着場まで迎えに来てくれます。発着場も近く、それほど面倒ではありませんので、時間に余裕があり、少しでも安く利用したい人はそういう方法もあります。

私が予約しておいたクルマは「N-BOX」です。小さめのクルマですが、高さがあるので内部はとても広いです。後部座席を倒して利用すればかなりの荷物を積むことができます。視野も広く、とても運転がしやすいクルマです。ペットを連れての旅にはオススメだと思います。

手続きをしているとスタッフに「1カ月前にもいらっしゃいましたよね」と声をかけられました。前回、カルーソとラファエル君を見て「かわいい」と言ってくれた方でした。覚えていてくれて嬉しかったです。再会でしばし話をしたあとに、キャットショー会場の福岡タワーへ出発です。

いざ、キャットショーへ

空港から福岡タワーまではクルマで30分程度です。それほど混雑はしていませんが、道路事情が関東とは少し違います。急に車線が減ったり、同じ車線でも急に小刻みなカーブがあったりするので、運転が苦手な人には少し怖いかもしれません。注意が必要です。福岡タワーの駐車場まで間もなくというところで、1車線の道路が大渋滞。なかなか進まず、何があったのかと思ったら観光バスが停車して、そこからたくさんの観光客が降りていきます。なにもこんな1車線の道路で降ろさなくてもと思っていたら、観光客はすべて中国の方でした。迷わないように入口近くで降ろしたかったようです。その日の福岡タワーは、中国の方で溢れていました。

福岡タワーは17:00~23:00頃、とても美しくライトアップするので、海外からの観光客にも人気のスポットになっています。季節によりその美しさも変化するので、旅のプランに加えるとよさそうです。ライトアップの詳細情報はWebサイトに掲載されていますので、事前にチェックしてみてください。

そして、13:00からキャットショーの1日目がスタートしました。今回のキャットショーは前回同様にTICA傘下のフォレストキャットジャパンが主催するもので、子猫の部、成猫の部、ハウスホールドの部を合わせて33頭程度の猫が参加していました。カルーソもラファエル君も、旅の疲れを感じさせないくらい頑張ってくれました。素晴らしい成績を頂けて嬉しかったです。

じつはキャットショーはTICAに登録がなくても、愛猫をハウスホールドの部でショーに出陳することができます(要事前申し込み)。もちろん見学も可能です。興味がある方はショースケジュールをご覧ください。

宿泊先の「Yogo Zassho House」へ向かう

キャットショーが終わり、17:00過ぎにホテルへ向かいました。福岡タワーからは下道で40分くらいでした。「Yogo Zassho House」はペットに関する制限がありません。犬・猫・鳥などが宿泊可能ですが、誓約書へのサインや狂犬病ワクチン接種の証明書などの提示もありません。すべては宿泊する飼い主のモラルに任せているようです。毎回、高温のスチームクリーナーで除菌・消臭を行っているので、ペットのニオイもなく、衛生面でもしっかりと対応している安心できる宿なのです。

玄関前に3台ほど停められる無料駐車場が完備されています。先着順なのでクルマで行く場合は、予約時にあらかじめ伝えておくとよいです。チェックインの1時間前にホテルのオーナーに電話をしておくと、エアコンをONにしておいてくれます。ホテル代は前払いで、カードでの支払いも可能です。今回も前回と同じ203号室に宿泊です。お部屋の情報と私が持参したものは、前回のこちらの記事をご覧ください。前回から備品で進化していたのは、ペットの排泄物や使用済のペットシーツを入れる汚物入れが用意されていました。また、洋服をかけるハンガーも増えていました。前回に紹介するのを忘れたトイレもとても綺麗で清潔です。最近は「ウォシュレットがないと使えない!!」という人が増えているので、これなら完璧です(笑)。

ちなみにホテルの目の前のコンビニエンスストアにはドライフード、猫缶、ちゅーるなどのおやつ、猫砂がありました。忘れたり不足した場合にはそこで購入できます。

今回は私が持参したテントケージをどのように利用しているかをお伝えします。「Sturdi ペットツインケージ」をカルーソとラファエル君用に2個持参しました。ワンタッチで簡単に組み立てることができます。収納もねじるだけのお手軽仕様です。専用の手提げ袋が付いているので、持ち運びもラクです。私は1つの手提げ袋に2個を一緒に入れてきました。部屋の畳は簡易畳なので、床の上に4枚並べて敷いてあります。移動可能なので1つは壁側、もう1つは窓側に移動させて、その上にビニールシートを敷きました。この時期に床の上に直接では寒いからです。

そして、テントケージを設置しました。テント内にはペットシーツ、敷物、トイレを設置。カバーをかけて安心して過ごせるようにしています。お水やご飯は中に入れたままだとこぼしてしまうので、時間を決めてあげるようにしました。前回もお伝えしましたが、このホテルは室内に猫を放してもOKなのですが、ペットを置いて外出する際にはいたずらなどをしないように、何かしらのケージを持参する必要があります。ただ、猫の性格的にケージを嫌がる場合には、テントケージでは網の部分を破ってしまうこともあります。その場合にはハードタイプのケージを持参することをオススメします。

ホテルから徒歩1分30秒の居酒屋へ

猫たちのテントケージの設置が終わったら、しばらく猫たちと遊びながら休憩です。その後、猫たちは先に夕食を済ませました。今回もホテルのオーナーさんにおいしいお店を教えていただきました。「おひとり様でも入れそうなお店」をいつも聞いています(笑)。

まずは、中華料理のお店を覗いたのですが、なんと満席。そこでもう一軒の「肴屋 浜ちゃん」という居酒屋で夕食をとることにしました。中に入ると常連客でいっぱい。カウンターテーブルが一席だけ空いていたので、入ることができました。店主はとても気さくな方で、そのお人柄からか常連のお客さんもとても気さくな方が多く意気投合。

頼んだ料理は3品でしたが、次々と「これ味見してみて」と料理を出してくれました。どの料理もとてもおいしくて大満足。お腹いっぱいを通り越すくらい頂きました。常連のお客さんが「また来た時には別の美味しい店を紹介するから、そこで食べてからまたこの店に来よう」と誘ってくれました。福岡に来る楽しみがまたひとつ増えました。素敵な出会いでした。

猫にとって環境が変わるのは一大事なのか?

猫は環境が変わると鳴き声を荒げたり、落ち着かない様子を見せたり、粗相をしたりするので、旅行などには連れて行かないほうがよいと書かれている記事を目にしたことがあるのですが、それは個々の性格によると、私は考えています。

カルーソやラファエル君はもともと気質が大らかで、何事にも動じないタイプだったので、初めての旅行時からキャリーバックでは鳴くこともなく、おとなしく過ごしていました。泊まる宿でもすぐに探検に出かけて、寛いで、遊んで、ご飯をしっかり食べて、トイレも済まし、夜はぐっすり寝ていました。おかげで私も朝までゆっくり休むことができます。

いまは猫の性格も犬みたいといわれることが多くなってきていて、「家につく」のではなく「人につく」という猫も増えています。ブリーダーも性格重視の繁殖をしている方が増えていますから、猫の性格も変化していると考えます。ですから、一概に猫は旅には不向きとはいえないと思うのです。慣れもありますので、子猫のころから旅に連れて行くのもよいと思います。ただ、外に連れ出すわけですから、ワクチン接種やマイクロチップの装着は必須です。旅先で災害に遭うこともゼロではないので、万が一の備えとして必要だと思っています。

猫の朝食は出発の1時間前までに済ませる

朝7:00に起床して、カルーソとラファエル君はテントケージから出てひと遊び。朝からテンションMAXです。部屋が細長い造りなので、猫ダッシュも可能です(笑)。落ち着いてから朝食を食べてもらいました。この日もクルマ移動なので、消化してからがよいので出発1時間前までに朝食を済ませます。私の朝食はホテルの目の前のコンビニエンスストアでサンドイッチを購入して食べました。

出発時にはホテルのオーナーさんが不在でしたので、入口横にあるボードの部屋番号のフックに鍵をかけてチェックアウトでした。さあ、キャットショー2日目に出発です。福岡タワーに移動中に「お見送りできずすみませんでした。またのお越しをお待ちしています。今度はもつ鍋をご案内しますね」とホテルのオーナーさんから携帯にメッセージが届きました。また、楽しみが増えました(笑)。

キャットショーを終えて帰路へ

この日もカルーソとラファエル君はキャットショーを頑張ってくれました。後半は疲れたのか控えケージに戻ると寝ていました。16:00頃にはキャットショーも終了し、片付けをして、クルマで福岡空港に向かいました。フライトの時間まで余裕がありましたので、今回も空港近くのレストランで一休み。カルーソとラファエル君は車内で休んでもらいました。私はこの休憩中に、車の中を持参したコロコロ(粘着テープ)で掃除をします。もちろん猫たちを車内で出すことはありませんが、やはり抜けた毛が飛んでついていることがあるからです。マナーですね。

レンタカーは返却前に指定のガソリンスタンドで満タン給油しなければいけません。返却時にレシートを見せる必要がありますので、大切に保管しておきます。レンタカーを返却して、再び送迎車で福岡空港に向かいます。送迎車の発着場には荷物を載せるカートが置いてないことが多いので、荷物が多い場合には自分で台車を持っていったほうが便利です。JALカウンターで往路と同じようにチェックイン。カルーソとラファエル君はまたまたJALのスタッフに「カッコいい、カッコいい」と褒められ、尻尾をブンブン振りながら喜んでいました。

飛行機は大きな揺れもなく羽田空港に無事に到着。羽田空港では手荷物を受け取るレーンがいくつかありますが、猫を受け取るのはちょうど中央あたりのレーン横のカウンターになります。しばらくするとJALのスタッフが猫たちを連れて出てきます。手荷物を受け取り、カウンターでカルーソとラファエル君を受け取りました。

必ずナンバーを確認されますので、手荷物を預けた際のナンバーの控えを失くさないようにすることが大切です。レーンの横には荷物を載せるカートが置いてあるので、ここではそれを利用します。出口を出たら3Fにエレベーターで上がり、連絡通路を通ってP1の駐車場へ向かいます。事前清算機は3Fにありますので、そこで清算を済ませると出口で何もしなくてもゲートが開きます。ここで清算を済ませておくことをオススメします。そして、6Fに上がり、荷物と猫たちを積み込んだで帰路に着きました。こうして今回の1泊2日の旅が終わりました。

まとめ

今回の旅も前回同様にキャットショーへの参加が目的でしたが、再び「Yogo Zassho House」に泊まったことでホテルのオーナーさんとの再会に喜び、また新しい出会いもあり、とても楽しい充実した旅となりました。同じ203号室に泊まったので、カルーソもラファエル君も「この部屋は来たことあるぞ」というような感じで、探検することもなく遊び始めました。とても楽しそうで、その姿を見ていると同じ部屋に泊まるのも悪くないなあと感じました。きっと覚えていたのだと思います。とても清潔で、嫌なニオイもなく、快適な空間はまったく変わっていませんでした。紹介してもらった居酒屋も料理はもちろん、店主も常連客も最高! またまた大満足の1泊2日の旅でした。

[ペットジャーナリスト 阪根美果]