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ネコの共食いが起きて「ホッとした」 多頭飼育崩壊の壮絶現場

[2018/04/18 6:00 am | 編集部]

ネコの共食いが起きて「ホッとした」 多頭飼育崩壊の壮絶現場

弁護士ドットコムNews | 2018/03/29

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このコーナーでは、注目ニュースに対する編集部や識者のコメントを紹介します。

この記事を読んで衝撃を受けました。誰ひとり、幸せでないからです。

ペットを飼う動機の第一は、「かわいい」からだと思っています。かわいければ惜しむことなく愛情を注げます。愛情があれば、ペットを家族の一員として大切にするはずです。ペトハピの読者のみなさんは、このようにペットと日々接していると思います。

ペットに愛情をもって飼っている人なら、そんなにたくさんの頭数に、等しく愛情を注げないし、そもそもたくさんの頭数は必要ないはずです。飼育スペースがたくさん必要だし、食費などの出費もかさむので、何頭以上は無理というのがわかっているわけです。

今回採りあげた記事は「多頭飼育崩壊」についてです。記事を読んで感じたのは、登場人物のA子さんは、猫が「かわいい」というよりも、「かわいそう」という感情で飼っているのではないかということです。「不憫に思って、エサをやっているうちに……」という記述から推察しています。

※写真はイメージです

この「かわいそう」という感情が、多頭飼育崩壊や、保護活動で疲弊してしまう状況を生み出しているのではないかと考えます。「憐憫(れんびん)」という感情は、長く継続するでしょうか。一時的に強く湧き出るものではないでしょうか。

一時的に吹き出す憐憫で、次から次へと招き入れてしまう。憐憫は愛情ではないので、継続したケアはできません。そして、この記事のように、崩壊状態にいたってしまう。A子さんのケースでは、夫の協力も得られていません。

ペットといっしょに幸せに暮らすために正しい知識が必要なのは、いうまでもありません。しかし、飼おうとする人間の感情という、知識以前の大切なものもあると思います。「だって、かわいそうでしょ!」という善意が、結果として悪意にならないようにするためにも。

[編集部]