イオンペットに措置命令 未使用なのに「炭酸泉を使用」
このコーナーでは、注目ニュースに対する編集部や識者のコメントを紹介します。
この記事を読まれて衝撃を受けた人も多いと思います。イオンペットは、小売業日本一の大手流通企業グループ「イオン」のペット部門ともいえる企業で、ペットショップ、動物病院、ペットホテル、トリミングサロン、ペット葬儀事業を持つ国内最王手の総合ペットショップです。
そんな企業が、景品表示法違反で消費者庁から再発防止を求める措置命令を受けたというものです。内容は記事のとおり、屋外での散歩を実施していなかったり、炭酸泉シャワーを使用していなかったというものでした。
もしかしたら、今回のことは氷山の一角で、ほかの事業においても同様のことがあるのではないかと疑われてもしかたありません。
取材に対し、担当者は「サービス内容のチェックが出来ていなかった。命令を重く受け止め、再発防止に取り組む」と話したようです。
しかし、問題の根本はチェック体制の有無以前に、スタッフが「愛情」を持って動物に接していたのかという点だと思います。ペットはモノではありません。ペット業界に携わる者として「愛情」は必須の要件です。それがなければ携わる資格がないとさえ言えます。
そのうえで、人手不足や人では難しい部分をテクノロジーが補えれば、ペットも人も、もっと便利に、快適になるのではないかと思います。昨今、IoTという言葉を頻繁に聞くようになりました。これは、モノがインターネットに接続され、私たちの生活をさらに便利にしてくれる技術です。例えば、エアコンのセンサーが部屋の状況を把握し問題があれば通知してくれたり、外部からスマホで操作できることなどがイメージしやすいかもしれません。
すでにペットの分野でも活用が始まっています。例えば、ネットワークカメラは、留守中のペットの様子を見守ってくれます。動き、音、温度など異常があれば、スマホなどに通知してくれます。それに対して話しかけたり、おやつを与える機能を備えるものもあります。さらに、センサーによって活動量やトイレの回数なども計測できる製品もあります。
こうしたIoT製品をサービスの現場に導入できれば、今回のような不祥事も防げる可能性があります。ペットがIoTセンサーを装着すれば、いつ、どのようなコースを、どれくらいの時間散歩したかなどがわかります。そして、飼い主はそれをスマホなどで確認することができます。さらに、トリミングサロンやホテル、病院に見守りカメラが設置されていれば、リアルタイムで確認することもできます。それは抑止力ということではなく、人のミスをテクノロジーが補完してくれるというものです。
ペット業界はIoTの流れに遅れているといえます。ペット、飼い主、サービス提供者、すべてにメリットのあるテクノロジーは、どんどん導入すべきではないでしょうか。