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犬の体罰ありか、なしか 「訓練」に賛否両論

[2018/11/06 6:00 am | 編集部]

犬の体罰ありか、なしか 「訓練」に賛否両論

THE SANKEI NEWS | 2018/10/24

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このコーナーでは、注目ニュースに対する編集部や識者のコメントを紹介します。

この番組をご覧になった人も多いと思います。記事にもあるように賛否両論あるのは当然として、当事者でない人たちがネットで批判をするというのも考えものです。

訓練士の中村信哉さんが話されていたことは真っ当だと思います。ぶっきらぼうな話し方で損をした感はありましたが……。ただ、この訓練所に依頼する飼い主(当事者)たちは、犬を愛し、何とか共生できるようになって欲しいと望んでいるだけましではないでしょうか。「懐かないから捨てる」といった無責任な飼い主ではありません。最後の駆け込み寺が、この訓練所なのです。もし不幸にも捨てられ、保護されたとしても凶暴なままだと殺処分という悲しい結末にもなりかねません。

写真はイメージです

犬は使役動物なので、適切にしつけをしないと犬種が持つ本来の特性(本能)むき出しになってしまいます。猟犬などは、まさにその傾向が強いといえます。現状では、おやつなどを使って褒めてしつける方法をよく聞きます。それに、極度の苦痛や恐怖はかえって犬の防衛本能を高めてしまう危険性はあります。ただ、訓練士さんもプロです。単に苦痛を与えて服従させるのではなく、犬ごとに程度を見極めているのだと思います。

東京農業大学の太田光明教授(動物介在療法学)も、愛情のある「体罰」であれば犬は理解すると言います。逆に怒りを伴う「体罰」はまったく効果がなく、一見、犬が従順になったように見えるかもしれないが、見せかけだけのもので、すぐに元に戻ってしまうと。

そして、なぜそんな凶暴な犬になってしまったのだろうか、という考えもあります。飼い主がきちんとした知識をもって対処しなかったのが大きな要因でしょう。しかし、その犬自体にも問題があったとも考えられます。健全な血統の親犬、健全なブリード環境、健全なブリーダーからは、行動や健康に問題のある犬は生まれる可能性は低くなります。引き渡しのときはしっかり説明をし、新しい家族のもとに行ってからも相談に乗るなど、犬の生涯をとおしてサポートしてくれます。

もちろん、犬種の特徴や性質を理解しないまま、安易にペットショップで購入した飼い主にも責任はあります。しかし、販売して終わり。しっかりフォローできないような業者が生体を販売してはいけない。殺処分など不幸なペットの問題は、そんなところにもあるのだと考えさせられました。

ペトハピは、ペットとの幸せな共生には、健全なブリードと健全な流通が必須と考えています。そのために、動物を愛し真摯に血統を守る健全なブリーダーの存在・思い・行動を知って欲しいと考え、日本で唯一、“真のプロフェッショナル”を紹介しています。彼らがブリーダーの手本となり、ブリーダーの質の底上げとなることで、不健全な繁殖がなくなり、流通も変わっていくと思います。そして、飼い主である私たちの行動によっても。

[編集部]