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[2017/10/3 06:00 | ]

動物病院のモンスター飼い主、治療費踏み倒しや安楽死希望者も

NEWSポストセブン | 2017/9/11

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なぜ、こういった人たちが増えているのでしょうか。それは、飼い主としての責任を理解していないことが原因だと思います。では、飼い主としての責任とは何でしょう。ペトハピでは、ペットに対する投資と、飼い主としての勉強とモラルだと考えています。

ペットに対する投資とは、ペットが健康で生活できるように「食べ物に配慮する」「生活環境を整える」「保険に入るもしくは医療費を確保しておく」というもの。これはペットへの愛情のカタチともいえます。

そして、飼い主としての勉強。たとえば、犬であれば、もともとどんな使役目的を持っていたのか、どんな癖や特徴があるのか、そして、どんな遺伝子疾患があるのかなど。それは猫であっても同様です。

通常、欧米ではペットは知識のあるブリーダーから迎えます。日本も同様で、きちんとしたブリーダーは知識が豊富で、飼い主となる人にそうした説明をし、理解してもらったうえで譲ります。そして、生涯にわたって関係が続くので、困ったときには相談ができますし、的確なアドバイスももらえます。

しかし、ペットショップや保護施設などから迎えた場合は、飼い主自身がインターネットで調べたりしなくてはなりません。インターネットの情報は玉石混交で、何が正しいのかを見極めるのは、飼い始めたばかりの飼い主には難しかもしれません。このように、単にかわいいからとか癒やされるからだけでなく、つねに学び知識を増やしていくのが飼い主としての責任だと言えます。

そして、モラル。これは、ペットの飼い主としての姿勢でもあると思います。「動物愛護管理法」や「民法(第718条)」、その他の条令を遵守することは当然ですが、飼っている人は、飼っていない人にも配慮すべきです。たとえば、公園や道路など公共の場では排泄させない。排泄してしまった場合は片付ける。ブラッシングなどはしない。住居(たとえばペット可の集合住宅)であれば、「共有部分は清潔に保つ」「ゴミ出しのルールを守る」「エレベーターに乗るときは乗っているひとに配慮する」など。さらに、ドッグランなどの施設での他の犬に対しても飼い主がしっかり管理する。

こうしたモンスター飼い主は、犬であれば当然の義務となる登録と狂犬病予防注射を、勝手な判断で回避しているケースも多いようです。その結果、罰金が課せられたり、加害者になってしまう危険もあるということを理解できていない、自分勝手な行動と言わざるをえません。

動物病院にとっては死活問題にもなるこのような問題に、どう対処すべきなのでしょうか。それは、獣医療にもITを活用することではないでしょうか。たとえば電子カルテ。初診の入力時に、全国の住所録と連動する仕組みにしておけば、間違った住所を入力するとシステムが指摘してくれます。また、デジタルではありませんが、運用・管理を明確にしておけば、患者の運転免許証情報を得ることもできるので、架空申請を排することもできます。

もちろん、マイクロチップの装着とデータ管理が徹底されれば、より飼い主の責任は強化されます。販売だけでなく、保護や譲渡であっても義務化することで、所有者情報は特定できます。

また、獣医師は獣医師法で規定されているとおり、応召義務があります。ただし、これは正当な理由があれば、拒否することもできます。そもそも獣医療は自由診療です。現状ではこういった自己防衛を積み上げていくしかありません。

[編集部]