「犬の介護に役立つ本」ダイジェスト Vol.1

ワンちゃんは7歳からシニアの仲間入り。「介護」について考えてみませんか?

[2015/10/27 12:40 pm | 編集部]

はじめに

「介護」という言葉を聞くと、どのようなイメージを持つでしょうか。もしかしたら、「大変」「つらい」というネガティブなイメージを持つ方が多いかもしれません。

たしかに、ワンちゃんが要介護状態になると、今まで自分でできたことが、飼い主さんの手助けなしではできなくなってしまいます。それは大変なことです。

けれど、少しだけ考え方を変えてみませんか。

介護は、今までともに人生を歩んできたワンちゃんに改めて向き合い、「今、どんな助けが必要なのかな」「どうしてあげたらよろこぶかな」と、これまで以上に考えながら、
一緒に過ごすことのできるかけがえのない時間でもあるのです。

今までに、ワンちゃんと過ごしてきたしあわせな時間を振り返りながら、現在、助けを必要としているワンちゃんに、どんなことをしてあげたいか、どんなことをしてあげられ
るかを一緒に考えてみませんか。

ワンちゃんは7歳からシニアの仲間入り

ワンちゃんは人に比べて、とても早く年をとっていきます。いつもにこにこしていて元気そうにみえても、7歳を迎えるころにはシニアの仲間入りといわれていますから、飼い
主さんが、ワンちゃんの体のおとろえや病気に気をつけてあげるようにしてください。

介護生活を成功させるために大切なのは「時間」「労働力」「お金」

ワンちゃんと飼い主さんが明るい気持ちで介護生活をおくるために、しっかりと確認して、準備を整えておきたいことが3つあります。それは、「時間」「労働力」「お金」です。

ただし、これら3つの要素それぞれに、どのくらいのウェイトをおくかは、その家族やワンちゃんによって異なります。

「これが正しい」「それは間違っている」という答えはありません。

なぜなら、ワンちゃんとその家族が築き上げてきたライフスタイルは十人十色で、「ワンちゃんにとって、一番しあわせな状況」と、「飼い主さんがワンちゃんにしてあげたいこと」は、家庭ごとにさまざまだからです。

飼い主さんとワンちゃんの両方にストレスなく、前向きな気持ちで続けられる介護のかたちを、これから一緒にみつけ出していきませんか。

時間

介護は長い期間にわたります。しかも一度始まったら待ったなしです。家族それぞれのライフスタイルを考え、1日のうちどのくらいの時間をワンちゃんの介護にあてられるかを確認しましょう。

労働力

介護には家族全員の協力が不可欠です。各自が、毎日無理することなく、どのくらい介護に協力できるのかを確認しましょう。

お金

介護には思った以上にお金がかかります。さらに、介護生活中にワンちゃんが病気になったら、そのための出費も必要となります。ワンちゃんの介護・治療にどのくらいのお金がかかるのか、主治医に相談して準備しておきましょう。

この記事は、山と渓谷社より発売中の単行本『犬の介護に役立つ本』の一部を特別に公開しているものです。

『犬の介護に役立つ本』
本田 英隆[監修]、高垣 育/上田 泰正[著]、山と渓谷社 刊 価格 1296円+税

介護を始めるための準備や、「薬を飲まない」「認知症による徘徊」など介護の「困った」に答えるQ&A、もっとも大変な排泄・服薬・食事の介助のコツなど、介護者である飼い主さんの気持ちに寄り添う本。

[編集部]