皮膚炎に苦しむ愛犬と飼い主の救世主的ペットフードが登場

[2017/02/08 6:01 am | 編集部]

みなさんの愛犬は皮膚炎に悩まされていませんか?

皮膚トラブルをかかえる犬は非常に多く、アニコム損保やアイペット損保の犬の疾患別保険請求金額をみると、皮膚関連が上位に挙げられています。そして、皮膚疾患は罹患率も高く、その中でも特に多いアレルギー性皮膚炎患者の約半数が、食物以外の因子で発症する「環境アレルギー」や「犬アトピー性皮膚炎」と言われています。環境アレルギーの原因は、花粉、ほこりやカビなどのハウスダスト、ダニやノミによる刺咬によるもので、人間と同じく、多くの犬が苦しんでいます。

これまでには犬皮膚療法食市場ではこれらの症状に特化した商品がなく、シャンプーやサプリメント、ステロイド薬の服用など複合的な治療で症状を管理し、しかも治療には長期の時間を要するのが現状です。

日本ヒルズ 代表取締役社長のゴードン・デュメシッチ氏と獣医師の江角 真梨子さん

そうした状況のなか、日本ヒルズが、環境アレルギーに初めて特化した「ダーム ディフェンス」という療法食の発表会を開催しました。

皮膚系としては16年ぶりの新製品となりますが、日本ヒルズ 代表取締役社長のゴードン・デュメシッチ氏によると、環境アレルギーの療法食については、何年も前から研究をしていたそうです。世界中の専門家にアドバイスを求め、臨床実験を行い、科学的根拠に基づき、ようやく環境アレルギーを栄養学的に管理することを可能にできたとのこと。そして、「ダーム ディフェンス」で皮膚疾患に悩む犬と飼い主の快適な毎日を送るためのサポートをしたいと語っています。

皮膚系としては16年ぶりの新製品「ダーム ディフェンス」

この「ダーム ディフェンス」は、抗酸化成分・ポリフェノール・卵を組み合わせた、ヒルズ独自の栄養ブレンド「ヒスタガード」を配合。薬との併用が可能で、食事療法の観点からケアできるのが特徴です。

ヒルズ・ペットニュートリションセンター メディカルディレクターのジェニファー・マクレイ氏によると、体の内側から皮膚を直すのに役立つとのこと。この「ヒスタガード」でかゆみを栄養学的に管理し、自然由来のポリフェノールでアレルゲンに対する免疫反応を継続的にケアし、健康的な皮膚の回復をサポートします。

アメリカで11施設の獣医師の協力のもと、実際に「かゆみあり」(症状あり)と「まだかゆくない」(症状発現前)の2グループに分けて、「ダーム ディフェンス」を給与する実験を行ったそうです。その結果、「まだかゆくない」犬の場合は、投薬が26%少なく、複数の薬物療法が21%少なかったそうです。「かゆみあり」の犬の場合は、75%で皮膚・瘙痒スコアが改善しています。ジェニファー・マクレイ氏は、全体的な再発と薬物の使用をおさえると語っています。

皮膚炎に罹患すると、犬自身が辛いのはもちろん、飼い主にとっては、かゆがっている愛犬の姿を見るのも辛い経験です。また、長期にわたって、ステロイド薬を服用するケースも多く、副作用も心配になります。実際にステロイドは皮膚炎に効果がある一方で、皮膚や肝臓への負担、感染症リスクなどのデメリットがあるのも事実です。

ゲストスピーカーとして登壇したVet Derm Tokyo所属獣医師・日本獣医皮膚科学会認定医の江角 真梨子さんによると、副作用の心配をしながらステロイドを与えることは飼い主にとってもストレスであると語ります。江角先生は日本全国の動物病院へ出張診療を行いますが、セカンドオピニオンも受け付けています。セカンドオピニオンでは、薬物療法をやめたいという相談や獣医とのトラブルも多いそうです。

これといった治療方法もなく、長期的な治療が続いても症状がなかなか改善されなければ、獣医師と飼い主の信頼関係にヒビが入るのも想像できます。実際に525名の獣医師にインタビューしたところ、約6割の獣医師が治療に困っていることがあると回答しているそうです。

さまざまな犬の皮膚疾患を診療する江角先生ですが、1歳未満の子犬から高齢犬まで罹患し、なかなか直せない皮膚疾患で悩む飼い主は非常に多いそうです。被毛が多い犬の場合は、外からのケアが難しく、現状は薬物療法に頼っているのが現状だそうです。なかには薬物療法が10年も続くこともあります。犬の平均寿命は15歳くらいですが、1歳未満で罹患して10年の治療を続けるなんて飼い主には辛すぎますよね。

発表会では、江角先生が「ダーム ディフェンス」を給与した3頭の犬の事例も紹介していました。アトピー性皮膚炎でステロイド投薬&シャンプーによる治療をしていたヨークシャー・テリアは、やはりステロイドの副作用で肝臓の数値が高かったそうです。被毛も薄く、皮膚も薄くなり白い湿疹ができていましたが、「ダーム ディフェンス」を食べることで薬も減量し、56日目には被毛の質・量が改善されたそうです。

足の被毛が少なく散歩にも行けず、薬物療法のみだったミックス犬も被毛量が回復し、薬も減量。また、痩せぎみだった体重も14kgから16kgに増量し、健康的な体型になったそうです。保護犬のミニチュア・シュナウザーは、栄養不良で被毛が乾燥しフケも多かったものの、35日目で改善されて薬を使わずに済んだとのこと。食事をしっかり食べることで、被毛へ栄養が行き届いてキレイな黒色の被毛に戻っています。

ヒルズの療法食は、フードの嗜好性を高めることに研究の重点を置いています。疾患の治療も重要ですが、おいしく食べることも重要という考えです。「ダーム ディフェンス」の発売前の給与実験でも、犬たちがきちんと食べ続けたことで皮膚疾患が改善されています。獣医師と飼い主ともに、嗜好性がよかったと評価をしています。とくに食べられるものが限られがちな皮膚疾患を抱える犬がおいしく食事管理できるように、ドライ製品に加えてシチュー缶も用意されています。先行発売されたフランスでは、犬用 皮膚疾患系療法食の売上が前年比12.8%増になったそうです。

「ダーム ディフェンス」は2月16日(木)に動物病院等で発売されます。希望小売価格はドライ1kgが2481円、3kgが5787円、7.5kgが1万2312円、シチュー缶(345g)が581円。いずれも税別。

ゴードン・デュメシッチ氏は「獣医師の治療のオプションとしても期待できる」、江角先生は「全国の動物病院で内側からのケアにも目を向けてもらいたい」と語っています。皮膚疾患で悩んでいる人は、かかりつけの動物病院で獣医師に相談してみてはいかがでしょうか。

[編集部]