シニア期を迎えた犬に起こりうる足のトラブル

[2016/05/24 6:00 am | 編集部]

Q:後ろ足が弱っていて自力で立てないのですが、散歩は必要ですか?

A:はい、短時間でも散歩しましょう。

散歩は筋肉を維持するために必要なことです。また、外でいろいろな刺激を受けることは、認知症の予防にもなります。運動を避けたほうがよい病気を発症していなければ、できる限り散歩に連れて行ってあげましょう。

散歩に行くときは、寝ている犬に「散歩に行くよ~」と声をかけてから、犬の体をゆっくりと抱き上げて立たせます。歩かせる前に筋肉をほぐすために、準備運動を行いましょう。犬の両後ろ足を持ち、右・左・右・左とゆっくり足踏みさせます。少しでも自力で歩けるようなら、家の中だけでなく、短時間でも外に出てみます。日差しを浴びたり、外の空気を吸ったりして、気分転換をさせてあげましょう。散歩中は段差などには十分に注意しましょう。

また、排泄時や排泄後は、支えるなどの補助が必要です。犬の状態に合わせて対応しましょう。体調により歩けない日は、犬用のカートを利用するとよいでしょう。小型犬用から大型犬用まで、いろいろなタイプのものが販売されていますので、用途に合わせて選ぶことをオススメします。

Q:散歩のときに足を少し引きずってしまうのですが、保護する方法はありますか?

A:靴下を履かせましょう!

足を引きずる場合は、擦り傷などを防ぐために靴下を履かせることをオススメします。市販されているものには、滑り止めが付いているものや、デザイン性が高いものもあります。サイズに合ったものを購入しましょう。ほかには、風船を使って代用することもできます。

まず、風船の口の部分を切り落とします。履き口を裏返して、爪などが引っかからないようにして履かせます。脱げないように履き口を伸縮包帯(粘着性)で巻きます。風船にもいろいろな大きさがありますので、きつくならないようにサイズを合わせてあげましょう。

Q:足腰が弱ってきた犬の歩行の介護には、どのような方法がありますか?

A:犬の状態により適切なものを選びましょう。

元気に走り回っていた犬も、年齢とともに体力や筋力は衰えていきます。足腰が弱ったり、歩行が困難になったりしたときには、歩行の介護をしてあげる必要があります。犬の状態により何を使用するのが最適か、獣医と相談しながら選ぶといいでしょう。

・ハーネスを使用する
足腰が弱っているとふらついて転倒する恐れがあります。首輪を使用している場合は、もしものときに首に負担がかかったり、身体を支えきれなかったりすることがあります。ハーネスは体の広い範囲を支えることができるため、とても有効的です。装着を嫌がる場合は、室内で練習するといいでしょう。

・ウォーキングベルトや胴輪を使用する
自力で立ち上がることのできない犬の場合には、後ろ足を支えるウォーキングベルトや胴輪を使用するといいでしょう。飼い主が補助をして犬の負担を軽くし、立ち上がりやすくしたり、歩きやすくしたりすることができます。ただ、歩くときに持ち上げすぎると、犬の足が浮いて歩きにくくなります。腰への負担にもなりますので注意が必要です。

・車椅子を使用する
下半身が麻痺しかけている、または完全に麻痺している場合は、車椅子を使用する方法もあります。完全に麻痺する前であれば、リハビリにもなります。その場合は、少しでも脚が地面に付いて動かせるような高さに調節します。完全に麻痺しているときには、怪我をしないよう、脚が地面に付かない高さに調節します。車椅子は犬のサイズに合ったものを選びましょう。

[編集部]