意外と知らない猫のブラッシングとシャンプーのコツ

[2015/10/23 7:00 am | 編集部]

Q:ブラッシングはどれくらいの頻度ですればいいでしょうか?

A:ブラッシングは毎日しましょう。健康チェックに不可欠です。

猫はきれい好きなので自分で体を舐めて毛を美しく保ちます。突起のあるザラザラとした舌や門歯(前歯の真ん中にある歯)は櫛のような役目を果たし、上手にグルーミングします。グルーミングの際に飲み込んだ毛は便とともに排出されますが、換毛期になると毛の抜ける量が多いために、飲み込んでしまう量も増えてしまいます。通常なら吐き出しますが、うまく吐き出せない場合は「毛球症」という、胃腸に毛玉が詰まってしまう病気になることもあります。こうなると手術が必要で猫にとって大きな負担となるため、毎日のブラッシングが欠かせないわけです。

日々猫の体に触れることで健康のチェックもできます。太ったか痩せたか、傷はないかしこりはないか、皮膚に異常はないか脱毛はないか……など、ちょっとした変化にいち早く気づくことができます。ただ、ブラッシングに慣れていない猫は「嫌がったらやめる」が基本です。無理に続けるとブラシや櫛を見ただけで逃げるようになってしまいます。少しずつ時間をかけて行いましょう。短毛種の場合は1日1回、長毛種の場合は1日2回、それが健康のバロメーターとなるブラッシングの理想の回数です。

Q:毛玉ができてしまいました。どうしたらいいでしょうか?

A:切らずに時間をかけてほぐしましょう。

猫の毛はとても繊細ですぐに毛玉ができてしまいます。長毛種は毎日ブラッシングしていても、気がついたら毛玉ができていることがよくあります。耳の後ろ、顎の下、わきの下、お尻周りは毛玉ができやすいので要注意です。

小さな毛玉はブラシや櫛でほぐれることが多いのですが、大きくなるとなかなかほぐれません。ただ、その場合でもハサミで切るのはできるだけ避けてください。なぜなら、猫の皮膚はとてもやわらかく、伸縮性があります。そのため皮膚を切ってしまうことが多いのです。これはトリマーでも起こりうることです。大きくなったものでも端からゆっくりほぐしていけば、猫の毛を切らずにきれいに整えることができます。どうしてもほぐれない場合は無理をせず、獣医に相談することをオススメします。

Q:シャンプーはどれくらいの頻度ですればいいでしょうか?

A:シャンプーの頻度は猫の状態によります。

シャンプーの頻度は外出するかしないか、短毛種か長毛種かによって違います。外出する猫の場合はノミ、ダニ、汚れなどが気になるので、その都度専用剤でシャンプーした方がいいでしょう。完全室内飼育の短毛種なら、猫自身のグルーミングである程度の状態が保てますのでとくに必要ありません。

しかし、長毛種はそうはいきません。抜け毛も多いし、毛玉もできやすいので、猫自身のグルーミングではいい状態を保つことができません。最低でも3カ月に1度、きれいな状態を保つには月に1〜2回のシャンプーをオススメします。ただ、洗いすぎは皮膚や毛を傷めてしますので、状態を見ながら頻度を考えるといいでしょう。

Q:シャンプーはどのようにすればいいでしょうか?

A:シャンプーにはコツがあります。

猫のシャンプーは怖がらせないことが大切です。初めての場合は少しずつやさしく洗ってあげましょう。

01:まずはブラッシングをして、もつれや抜け毛を取り除きます。

02:皮脂の分泌が激しいところは、濡らす前に脂落としを使用するといいでしょう。脂落としはメーカーにより使用方法が異なります。用法を守って使用しましょう。

03:洗面器に静かにお湯を張ります。シャワーのヘッドをお湯の中に浸けて、その状態でシャワーを出します。こうすると猫がシャワーの音に驚かずにすみます。

04:シャワーのヘッドをお湯から取り出し、音がしないようにすぐに猫の体にぴったりとつけます。猫の体をなぞるように動かして濡らしていきます。この際、顔や耳を濡らさないように気をつけましょう。

05:十分に猫の体が濡れたら、シャワーを止めてシャンプー剤をつけて洗います。台所用の網のスポンジに水を含ませ、そこにシャンプー剤をつけて洗うときれいに洗えます。1カ所につき20〜30回程度こするといいでしょう。耳の後ろ、顎の下、わきの下、お尻周りは念入りに洗います。とくに尻尾(表側)の付け根から先端に向けての10センチくらいは皮脂の分泌が激しいので、念入りに洗いましょう。

06:「02」の方法でシャワーを出して、シャンプー剤が残らないように流します。手で触るとギシギシするまで完全に流しましょう。

07:リンスが必要な場合は使用方法に合わせてつけます。必要であれば「02」の方法で流します。

08:顔と耳の中を濡らしたガーゼなどで拭きます。汚れがひどい場合は歯ブラシを濡らしてこすります。

09:猫の体の水を切れるだけ切って、その後にタオルで拭きます。タオルは何枚か用意しておき、できるだけ水分を取るようにします。

10:ブラシや櫛でもつれを取ります。猫が痛がらないように注意します。

11:できるだけ猫から遠い位置で、ドライヤーのスイッチを入れます。驚かせないようゆっくりと猫の背中からドライヤーを当てていきます。ブラシや櫛で毛を伸ばしながら当てるときれいに仕上がります。根元までしっかり乾かしましょう。どうしてもドライヤーが苦手な場合は、しっかりとタオルドライして、後は猫自身のグルーミングに任せましょう。ただ、気温が低い時期には、体調を崩さないよう部屋の温度に注意をしてあげてください。

[編集部]